2017年お正月問題の答えと「2の累乗」の話

実は今年の問題はちょっとしたテーマを含んでいます。そのテーマを見抜くことができれば、意外とさっと解けるのです。

今年の問題はこちら。

答えは

A=2, B=6, C=7, D=8, E=9, F=5, G=3, H=4(CとD、GとHは逆でも可 )

です。少し難しかったでしょうか?

どこから手を付けていいかわからない、という方も多かったかもしれません。

実は今年の問題はちょっとしたテーマを含んでいます。

そのテーマを見抜くことができれば、意外とさっと解けるのです。

問題の式をざっくりと書くと

2の累乗 + 整数の2乗 + 普通の掛け算 =2017

という形をしています。このときに、一番数の動きが強力なのが「2の累乗」、その次に強力なのが「整数の2乗」、最後の掛け算の部分は正直あまり大きな動きをすることができません。すなわち、2の累乗の部分はドラスティックに変化するのでここが一番早く決まるのです。

具体的に言うと、2の累乗を、Bが入りうる3以上の整数で書いてみると、

2の3乗=8

2の4乗=16

2の5乗=32

2の6乗=64

2の7乗=128

2の8乗=256

2の9乗=512

となりますが、これに(C+D+10)を掛け算すると、C=7は与えられているので、仮にDに最小の3が入るとしても(C+D+10)=20となるので、それぞれ20倍して

2の3乗×20=160

2の4乗×20=320

2の5乗×20=640

2の6乗×20=1280

2の7乗×20=2560

2の8乗×20=5120

2の9乗×20=10240

すなわち下の3つはこの段階で2017を超えてしまうのです。このことからBは6以下ということができます...(1)

逆に2つ目の項「Eの2乗×F」、すなわち「整数の2乗」の部分がすごく大きな数だったと仮定します。例えば9の2乗×8=648だとしても、最後のG×Hの部分は100をこえることはありませんから、後ろ2つの項はせいぜい750ぐらいなわけです。言い換えると、最初の項は少なくとも2017-750=1267以上ないといけないわけです。

仮にC=7とDに最大の9が入るとしても(C+D+10)=26となるので、2の累乗をそれぞれ27倍して、

2の3乗×26=208

2の4乗×26=416

2の5乗×26=832

2の6乗×26=1664

2の7乗×26=3328

2の8乗×26=6656

2の9乗×26=13312

となり、上の3つは1267に届きません。つまりBは少なくとも6以上ないといけないことになります...(2)

すなわち(1)と(2)よりB=6が決定されるのです。

これらの推察からさらに、Dはかなり大きな数であり、Eも大きな数でないといけないことがわかり、そのあたりから一つずつあてはめたら、ピタッと当てはまる答えが見つかるという訳です。最初の項が偶数なので、和が奇数(2017)になるために2つ目と3つ目の項の一方が偶数、もう一方が奇数になることもヒントになります。

この問題を通じて「2の累乗」の動きがすごいということが感じていただけたかもしれません。

昔豊臣秀吉に仕えた曽呂利 新左衛門という人が、秀吉から何が褒美にほしいと聞かれ「今日は米一粒、明日から毎日2倍ずつに増やして100日間ご褒美ください」と言ったという逸話は有名ですね。途中でとてつもないことになって秀吉が途中で褒美を別なものに替えたというお話だったと思います。

あるいは昔テレビでもやってましたが、紙を20回折ったら山のような高さになるという話も思い出されます(実際には紙が分厚くなりすぎて折るのはほぼ不可能に近いです)。累乗というのは、結構すごい動きをするということです。

注目記事