HIS、YKK、IHI、TDK、SNKなど。アルファベット3文字の日本企業の由来は?

響きはカッコいいけど、実は和風な社名の略称だったりします。調べてみました。

アルファベット3文字の日本企業。カッコいい響きですが、その由来は何でしょう。ちょっと調べてみました。

■株式会社エイチ・アイ・エス

HISの新ロゴマーク
HISの新ロゴマーク
HIS

格安航空券の販売大手「HIS」。海外旅行の際にお世話になった方も多いだろう。

オピネットが掲載した同社広報担当へのインタビュー記事によると、「HIS」とは「Hide・International・Service」の略称だ。

「Hide」は創業者の澤田秀雄会長の「秀」から取ったもの。澤田さんの海外留学をきっかけにして、手軽に海外旅行を楽しめるよう低価格で航空券を提供するサービスを提供したことが始まり。

1980年の創業から約40年を迎えて、11月1日に企業ロゴを一新した

■YKK株式会社

YKKのロゴマーク
YKKのロゴマーク
YKK

ファスナーの製造で世界的に有名なYKK。実は50年以上も、正式な社名ではなかった。

同社の「沿革」によると、1934年にファスナーの加工・販売の「サンエス商会」として創業したが、東京大空襲で戦災で工場が焼けてしまい一旦解散。故郷の富山県に戻った創業者の吉田忠雄氏が、地元企業を買収し1945年8月に「吉田工業株式会社」と社名変更して再出発した。

関連会社YKK APの公式サイトによると、吉田工業株式会社の英文社名「Yoshida Kogyo Kabushikigaisha」の頭文字をそれぞれとって、自社のファスナーの商標名としたのが「YKK」ブランドの始まりだ。

ファスナーのロゴマークに使用された商標が多くの人の目に触れたことを受けて、1994年になってYKK株式会社に社名変更した。

■株式会社IHI

IHIのロゴマーク
IHIのロゴマーク
IHI

IHI(アイ・エイチ・アイ)は、造船、機械を中心とする重工業の会社。重機、橋梁、プラント、航空エンジンなどを幅広く手がけている。

同社の「会社概要」によると、歴史は幕末に溯る。ペリー来航による欧米列強への対抗に迫られた幕府が、水戸藩に造船所設立を指示。これが、1853年に創設された日本初の近代的造船所「石川島造船所」だ。

石川島造船所の流れを汲む石川島重工業が、1960年に播磨造船所と合併して「石川島播磨重工業(Ishikawajima-harima Heavy Industries)」になった。

2007年にグローバルブランドの強化を促進するため,社名を「IHI」に変更したという。

■TDK株式会社

TDKのロゴマーク
TDKのロゴマーク
TDK

TDKは電子部品メーカー。日本で初めて音楽カセットテープを製品化したことで知られている。2014年に記録メディア事業から撤退して、現在はハードディスク用の磁気ヘッドなどを開発製造している。

同社の「よくあるご質問」によると、東京工業大学電気化学科の加藤与五郎博士と武井武博士が、1932年に発明したフェライトを事業化する目的で1935年に設立された。二人の在籍大学名にちなんで、東京電気化学工業株式会社と名付けられた。

TDKとは、この社名の「東京(Tokyo)」「電気(Denki)」「化学(Kagaku)」の頭文字をとったものだ。

設立当初から商標として「TDK」を用いており、さらに一般向けカセットテープの普及が進むにつれ「TDK」という呼び名が広く普及したことを受けて、1983年に社名をTDK株式会社と変更した。

■株式会社SNK

SNKのロゴマーク
SNKのロゴマーク
SNK

TVゲーム機「NEO・GEO」で知られるSNKは、もともと1978年に設立された株式会社・新日本企画が源流だ。同社公式サイトによると、1986年に新日本企画の頭文字をとって、社名を株式会社エス・エヌ・ケイに変更。SNKブランドで「餓狼伝説」や「サムライスピリッツ」など多くのゲームを輩出した。

■株式会社ディーエイチシー

DHCのロゴマーク
DHCのロゴマーク
DHC

化粧品事業で知られるDHCは、もともとは翻訳事業を手がけていた会社だった。ブランド名の「DHC」とは、設立当時の社名『大学翻訳センター』の頭文字から取ったもの。

産経ニュースによると、同社は次のように説明している。

「設立当時の社名は『大学翻訳センター』で、『DHC』という略称はございませんでした。しかしあまりにも化粧品事業と会社名が一致しないということから、1981 年に『DHC』と社名を変更しました。苦労した創業時のことを忘れないようにとの思いから、当初の社名『大学翻訳センター』の頭文字を残しています」

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