安倍前首相「真実を解明することが大切、誠意を持って対応したい」。 東京地検の任意聴取に関する一問一答

「桜を見る会」の前夜祭をめぐり、安倍氏本人に東京地検が任意聴取を要請との報道。安倍氏は「まだ私は何も聞いておりません」と話しました。
安倍前首相(2020年11月30日撮影)
安倍前首相(2020年11月30日撮影)
時事通信社

安倍晋三前首相が12月4日、国会内で記者団の囲み取材に答えた。安倍氏に対して東京地検からの聴取要請があったと報道されている件について「聞いておりません」としつつも、「真実を解明することが大切ですから、誠意を持って対応していきたい」として、捜査に協力する姿勢を示した。

■「桜を見る会」の前夜祭に安倍氏側が800万円以上を負担か

3日のNHKニュースなどによると、「桜を見る会」の前夜祭をめぐって安倍氏側が800万円以上を負担したとみられることから、東京地検特捜部は政治資金規正法違反の疑いで捜査を進めている。その一環として安倍氏側に、安倍前首相本人の任意での事情聴取を要請したという。朝日新聞デジタルは、聴取は臨時国会が5日に閉会した後に行われる見通しだと報じている。

4日午後3時過ぎの記者団とのやり取りが、TBS系の「ゴゴスマ」で放送された。その中で安倍氏は、「報道については承知しておりますが、まだ私は何も聞いておりません」として、聴取要請を聞いてないという認識を示した。

「捜査が進む中での仮定の質問には答えられません」としつつも「真実を解明することが大切」「誠意を持って対応していくというのが基本的な考え方」として、捜査に協力する意向を示した。報道陣との主なやり取りは以下の通り。

■報道陣とのやり取り

――報道にあるような東京地検からの任意の事情聴取の要請はあったんでしょうか?

報道については承知しておりますが、まだ私は何も聞いておりません。

――仮に要請があった場合はお受けする可能性は?

告発によって、捜査が行われていると承知しております。事務所に対しては全面的協力するように申し上げているわけであります。まだ何も聞いておりませんので、捜査が進む中での仮定の質問には答えられませんが、誠意を持って対応していくというのが基本的な考え方です。

――それは、事務所だけでなく安倍前総理ご自身も…

今、申し上げましたように、真実を解明することが大切ですから、誠意を持って対応していきたい。

――要請があれば応じる可能性がある?

今、申し上げた通りですね。

――(事務所からの)補填があった場合に、国会答弁との齟齬がでてきますが?

国会答弁については、みなさまご承知の通りであります。その段階で私が承知をしていた事実と思われる事柄について答弁させていただきました。その後、事実がどうだったかということについては、まさに今、捜査が進んでおりまして、事務所に対しても誠実に答えるように申し上げているわけですが、結論が出る前に今、この場で申し上げるのは適切ではないと思いますので、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。その(適切な)段階においては、経緯等についてお話しさせて参りたいと思います。

――当時ご存じなかったが、捜査の過程で前総理ご自身が知ったということはありますか?

そうした報道があることは承知をしておりますが、まだ、そのことも含めて捜査が行われていて、その結論が出されていない中において、こちらが考え方を述べることは適切ではないと思います。今の段階ではお話しできません。申し訳ないですが。

――野党側が国会招致を求めてますが、応じられる考えはありますか?

今、申し上げましたように、捜査が続いている段階においては申し上げることはないと。

――捜査が終結した段階では、またご自身が説明されるということでよろしいでしょうか?

捜査の対応が決まった段階では、お話しできることはお話しさせていただきたいと思います。

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