藻にまみれて海水浴:中国沿岸で過去最大の「緑潮」

中国東部にある山東省青島市の沿岸に、2万トンを超える鮮やかな色の藻が押し寄せている。異常発生の原因については意見が分かれたままだ。

中国東部にある山東省青島市の沿岸に、2万トンを超える鮮やかな色の藻が押し寄せている。異常発生の原因については意見が分かれたままだ。

「ロサンゼルス・タイムズ」紙の報道では、藻で覆われた面積は今年すでに約2万8900平方キロメートル。米マサチューセッツ州の面積を凌ぐ広さだ。[岩手県の約2倍。前回の大発生は2008年で、その際は1万3000平方キロメートルだったという]

青島市に藻が流れ着き始めたのは、例年通り6月のことだ。2008年の北京オリンピックの際にも同様の藻が大量発生し、セーリング競技の開催が危ぶまれたが、今年はその時の2倍の量だと推測されている。

厚い藻のなかを泳ぐ人々。2013年7月3日撮影。

自然現象[海面温度の高さ]だと説明する者もいるほか、青島市の南部沿岸では、海に浮かべたイカダでノリの養殖が行なわれており、そこに集まってくる藻が海岸にも押し寄せたのだとする研究者もいる。また、農地やゴルフコースからの排水に含まれる肥料[窒素やリン酸]が原因だという説もある。

一般的にはこの藻が人間に害を与えることはないものの、放置されて腐敗すれば有毒ガスを発する可能性もある、とロサンゼルス・タイムズ紙は伝えている[海面が覆われると水中の酸素濃度に影響し、海洋生態系に悪影響を及ぼす恐れがあると指摘されている]。

[問題になっているのは、アオサ属の藻「スジアオノリ」(Enteromorpha prolifera)の大量発生(緑潮)。日本でも水質汚濁が進んだ1970年代以降に顕著化し、千葉県の三番瀬・谷津干潟や横浜市、愛知県などで報告されている]

[(English) 日本語版:遠藤康子/ガリレオ]

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