12歳少女誘拐の疑いで逮捕された男。かつて小児性愛者を公言して立候補していた

2018年にアメリカ・バージニア州議選に立候補。児童ポルノ、女性へのレイプや暴力を容認する法律制定を公約に掲げていた。
ネイサン・ダニエル・ラーソン容疑者。右は州議会議員に立候補した時の写真
ネイサン・ダニエル・ラーソン容疑者。右は州議会議員に立候補した時の写真
FRESNO SHERIFF

小児性愛者を公言して、2018年のアメリカ・バージニア州議選に立候補した男が、性行為目的で12歳の女の子を誘拐したとして逮捕された。

逮捕されたネイサン・ダニエル・ラーソン容疑者(40)は、12月19日にデンバー空港で身柄を拘束された。

ラーソン容疑者は少女をカリフォルニア州から自分の自宅のあるバージニア州に連れていく途中で、一緒にいた少女はウィッグをつけて変装していたという。少女の両親が19日朝に捜索願を出したことで、ラーソン容疑者の計画は阻止された。

その後の捜査から、少女はソーシャルメディアを通して10月にラーソン容疑者と知り合い、逃走を強要された可能性があることがわかった。

巧妙な手段で少女をおだて、誘拐を計画

カリフォルニア州フレズノ郡の保安官事務所は、捜査からラーソン容疑者の憂慮すべき過去が明らかになったと発表した。

「彼は白人至上主義者であり、小児性愛を擁護することで知られています。また児童レイプを推奨し、レイプされている子どもの裸の写真や動画をシェアするウェブサイトを運営しています」と同事務所は説明する。

保安官事務所によると、ラーソン容疑者は過去2カ月間、巧妙な手を使って少女をおだて、彼女自身の性的な画像を送らせた。

そして12月14日午前2時に、フレズノにある自宅から抜け出してライドシェア車に乗り、年上の男(ラーソン容疑者)とともに空港に向かうよう説得した。

空港到着後、ラーソン容疑者は少女にウィッグをかぶらせて外見を変え、障がいがあって話せないふりをするよう指示。ワシントンD.C.に向かう途中で誰とも話さないよう求めたという。

しかし捜査官たちがラーソンの旅程を確認し、乗り継ぎのデンバー空港でラーソン容疑者を逮捕した。少女に怪我はなく、その日の午後に家族と再会する手はずが整えられた。

逮捕後、ラーソン容疑者は未成年者をかくまった軽犯罪でデンバー郡の刑務所に収容された。さらにフレズノ郡からは、子どもの誘拐と未成年に対する児童ポルノの勧誘、性行為目的で子どもと会ったことなどに対する重罪が課される。

17日にはバージニア州にあるラーソン容疑者の自宅捜索が行われ、電子機器が押収された。保安官事務所によると、ラーソン容疑者の父親が国土安全保障省の捜査員に対して暴力を振るったため、脅迫と暴行で逮捕された。

ラーソン容疑者のの自宅を捜索する、地元の保安官と国土安全保障省の捜査員、北バージニア/ワシントンD.C.の子どもインターネット犯罪特別チーム
ラーソン容疑者のの自宅を捜索する、地元の保安官と国土安全保障省の捜査員、北バージニア/ワシントンD.C.の子どもインターネット犯罪特別チーム
ASSOCIATED PRESS

保安官事務所は「ラーソン容疑者はとても洗練された方法でフレズノの少女を説得しました。そのため、捜査官たちはラーソン容疑者が過去にも子どもたちを騙し犠牲にした可能性があると考えています」と述べ、他にも被害者がいる可能性を示唆した。

フレズノ州のマーガレット・ミムス保安官は、ラーソン容疑者やそれ以外の人物による、嫌がらせや虐待行為を知っている場合は警察や保安官事務所に連絡するよう市民に求めている。

「これはたった1人を狙った犯罪ではありません。同じことが過去に国中で何度も起きていると私たちは確信しており、犯人はラーソン容疑者だけではないと考えています」

「もし何か知っていることがあれば、地元の警察や保安官事務所に連絡してください。皆さんからの情報で、私たちは子どもを救うことができます」

子どもたちを守るための方法として、保安官事務所は未成年の親たちに対し、子どものインターネットの使用状況を見守り、どんなプログラムを使っているかを知り、さらに心を開いて会話をして信頼関係を築くよう求めている。

ラーソン容疑者の問題ある過去

ラーソン容疑者の問題ある過去は、少なくとも2008年にまでさかのぼる。

ラーソン容疑者はこの年、退任するジョージ・W. ブッシュ大統領か就任するバラク・オバマ大統領のどちらかを暗殺する計画をシークレットサービスに送り、翌年に16カ月の禁固刑と3年間の監視下での釈放を言い渡された。

バージニア州フォーキア・タイムズによるとラーソン容疑者は刑期を終えた後に同州キャトレットにある実家に引っ越し、フリーの会計士をした。

その後、ラーソン容疑者は2018年のバージニア州の州議会議員選挙に無所属候補として立候補。選挙公約には、近親結婚や児童ポルノ、女性へのレイプや暴力を容認する法律制定を掲げ、白人至上主義者であると名乗った。

また自分のウェブサイトには、元妻をレイプしたことや、親戚と住んでいた当時3歳の自分の娘をレイプしたいと書いていた。ラーソン容疑者は養育権をめぐる裁判で、親権を放棄したという。

ラーソン容疑者は当時のハフポストUS版の取材に「多くの人たちが、ポリティカルコレクトネス(政治的正義)とそれに拘束されることにうんざりしている」「人々は、多くの人たちが心の中で思っていることを口にする、何も失うことのないよそ者を望んでいるんだ」と語った。

しかし最終的に、ラーソン容疑者は投票日の前に立候補を取り下げた。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

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