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2019年05月14日 17時31分 JST

大腸がんからの復帰を目指す阪神・原口文仁。「愛されキャラ」なのが分かる理由

母校の監督は「原口は捕手に向いている。投手を気遣うことができるし、乗せることができる。」という。

朝日新聞社
阪神の原口文仁捕手

がんと闘う阪神・原口 「愛されキャラ」の理由は?

 大腸がんからの復活を目指すプロ野球阪神の捕手、原口文仁(27)。手術後、初めて試合に出場した8日のウエスタン・リーグの中日戦では、多くのファンが温かい拍手と声援で「復帰戦」を祝った。重病からの復帰ということ以上に、彼がとても愛されていると感じた。なぜなのか、周囲の人が理由を教えてくれた。

 「グッチ(原口)の人柄のよさにはいつも驚かされます」と話すのは、原口の所属事務所の関係者だ。こんな「いいひと」エピソードを披露してくれた。

 病院で精密検査を受けた後に、兵庫県内の大きな食堂へ食事をとるために立ち寄った。原口は残さず食べ終えると、5人以上はいる店員一人ひとりに「おいしかったです! ありがとうございました!」。頭を下げながら感謝の気持ちを伝えていたという。

 同じような出来事は、8日の2軍戦復帰後にもあった。テレビ局のインタビューがあり、その後、一般紙やスポーツ紙の記者による囲み取材があった。原口はすべての質問に答え終えると、記者に向かって、「暑い中、ありがとうございました!」と頭を下げた。さらに、撤収作業をしていたカメラマンにも丁寧にお礼を言い、去っていった。その場にいた報道陣全員が笑顔になったのは、言うまでもない。

 そういえば、原口の母校である東京・帝京高の前田三夫監督(69)もこんなことを言っていた。「原口は捕手に向いている。投手を気遣うことができるし、乗せることができる。もちろんプレーもすごいが、私はそういうところをすごく評価していました」

 当の原口本人はというと、笑いながら「特別なことはしていない。普通ですよ」。意識せずとも、こういった心遣いをできるのが、みんなから愛される理由なのだろう。

 9日の2軍戦は「5番・指名打者」で復帰後初めて先発出場し、今季初安打も記録。10日のオリックス戦では、捕手の守備にも就いた。1軍復帰へ一歩ずつだが、確実に前進している。甲子園へ帰ってきた原口に、満員の観客が大声援を送る――。想像しただけで、わくわくしてしまう。(辻隆徳)

(朝日新聞デジタル 2019年05月14日 13時38分)

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