野生のヒグマを知床半島で撮影するのに、クルーズ船がオススメの理由は?

斜里町の担当者「お互いのために、クマとの適切な距離を取って」
知床半島のルシャ湾で撮影したヒグマの親子(4月28日)
知床半島のルシャ湾で撮影したヒグマの親子(4月28日)
安藤健二

野生のヒグマが見たい…。そんな思いで北海道に飛んだ。4月28日、知床半島のウトロ港から「ゴジラ岩観光」の観光クルーズ船で約1時間。ルシャ湾に到達して、念願のヒグマの親子を撮影できた。

クマたちは断崖の下にある狭い岩の海岸でエサを食べているようだった。距離は離れていたので、肉眼では黒い点にしか見えなかったが、親子仲むつまじい様子は分かった。数分間の出会いではあったが、心が温まった。

知床半島のルシャ湾で撮影したヒグマの親子(4月28日)
知床半島のルシャ湾で撮影したヒグマの親子(4月28日)
安藤健二

■斜里町の担当者「お互いのために、クマとの適切な距離を取って」

世界自然遺産として知られる知床半島には、野生のヒグマが約500頭生息すると推計されている

稀に人家の近くに出てくることもある。5月5日には知床半島の岩宇別温泉に近い斜里町の道路脇に子グマが現れ、観光客が約2メートルほどまで近づいて写真撮影するという騒ぎがあった。パトロール中の警察官が、観光客に注意しクマから離れさせたという。

斜里町役場の環境課の担当者は、ハフポスト日本版の取材に対し「私も4日に同じ状況になっているのを目撃しました」と振り返った。その上で、クマと人間の関係について、以下のように警告した。

「クマに接近することで観光客が襲われる危険性があるのはもちろんですが、クマにとっても『人間は怖くない』と思いこんでしまい、人里に出没するようになります。そうなると、結果的に駆除せざるを得なくなってしまいます。観光クルーズ船から撮影するのであれば問題ありませんが、道路などで出会っても、なるべく近づかないようにしてください。クマと人間が適切な距離を取ることがとても大切です」

知床半島のルシャ湾で撮影したヒグマの親子(4月28日)
知床半島のルシャ湾で撮影したヒグマの親子(4月28日)
安藤健二
知床半島のルシャ湾で撮影したヒグマの親子(4月28日)
知床半島のルシャ湾で撮影したヒグマの親子(4月28日)
安藤健二

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