ビキニ拒否で罰金、「ユニフォーム短すぎる」と注意…納得できない規定に女性選手ら「もうたくさんだ」

ユニフォームが「短すぎる」と注意されたパラリンピアン。その一方でビーチハンドボール選手たちは「ビキニを着ろ」と言われています。

納得できないユニフォーム規定に対して、女性選手たちが不満を表明している。

ノルウェーのビーチハンドボールチームは、競技大会でのビキニ着用を拒否した。

その一方で、イギリスでは、東京パラリンピックに出場する陸上選手が、ユニフォームが「短すぎて不適切」だと注意された。

女性選手だけビキニ必須のルール

ビキニ着用を拒否したのは、ノルウェーの女子ビーチハンドボールチームだ。

そしてビキニの代わりに短パンを着用したことで、ヨーロッパハンドボール連盟に1500ユーロ(約19万4000円)の罰金を科された。

同チームは7月19日、ビーチハンドボール・ヨーロッパ選手権の3位決定戦でスペインチームと対戦した際に、短パンを着用した。

ヨーロッパハンドボール連盟は声明で「ノルウェーチームが着用した短パンは、国際ハンドボール連盟のユニフォーム規則に違反した」として、1人あたり150ユーロ、合計1500ユーロの罰金を科したことを明らかにした。

国際ハンドボール連盟のユニフォーム規定では、ビーチハンドボールの女性選手は「女性用ビキニパンツを着用しなければならない」と定められている

さらに形状は「ぴったりとした脚の付け根に向かって切り込んだ形のビキニパンツ」で「側面の生地の幅は最大10 cm とする」と決められている。

一方、男性選手は短パンの着用が求められており「膝上10センチ以上で、たるみすぎていなければ長くても構わない」というルールになっている。

しかし、ビキニ必須ルールを「必ずしも競技に必要ではない」「性的対象として見られている」と感じる女性選手もいる。

ニューヨークタイムズによると、ノルウェーハンドボール連盟は2006年から、ビキニ着用について国際ハンドボール連盟に異議を申し立ててきたが、何の対応もなされなかったという。

同連盟はInstagramで次のように述べ、選手たちを支持する姿勢を明確にした。

「私たちは、ビーチハンドボールヨーロッパ選手権に出場した選手たちを誇りに思います。彼らは声をあげ、もうたくさんだということを伝えました」

「ノルウェーハンドボール連盟は、選手たちをサポートし、快適にプレーできるユニフォームを着用できるよう、ユニフォームの国際規程を変える闘いを続けます」

「短すぎて不適切」と注意

その一方で、ユニフォームが短すぎると言われた選手もいる。

イギリスのオリヴィア・ブリーン選手は、7月18日に開催されたイギリスの国内大会で、女性委員の一人から「ユニフォームが短すぎて不適切だ」と注意されたという。

イギリス国内で開かれた大会で走り幅跳びに出場したオリヴィア・ブリーン選手(2021年6月27日)
イギリス国内で開かれた大会で走り幅跳びに出場したオリヴィア・ブリーン選手(2021年6月27日)
Ashley Allen via Getty Images

ブリーン選手はTwitterに「言葉を失った」と投稿している。

「同じスタイルのユニフォームを、私は何年も着用しています。競技用にデザインされたもので、東京大会でも着用したいと思っています。男性アスリートも同じ批判を受けるだろうか、と疑問を感じました。他の女性アスリートに同じような問題がなければいいと思います」

「規定やガイドラインが必要だということはわかります。しかし競技中に、女性が何を身につけているかを気にさせられるべきありません。安心して競技できるようにすべきです」と、ブリーン氏はつづっている。

ガーディアンによると、イングランド陸上競技会がこの件について調査をしており、広報担当者が同メディアに「アスリートの健康や安心は最も重要なものであり、すべての人が安心してスポーツ競技に参加できるべきです」とコメントしている。

ハフポストUS版の記事を翻訳しました。

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