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2019年06月18日 12時00分 JST | 更新 2019年06月18日 12時38分 JST

未来を変える「Bread Beer」:パンの耳からできたビールを飲んでみた。

【ごみゼロ日記:第20話(番外編)】

パンの耳でできたビール "Bread Beer"

梅雨の晴れ間の金曜日、午後6時、六本木。
私は浮かれていた。

花の金曜日に、私の中で「非日常的な大人の街」とされている六本木に数年ぶりに訪れたからだ。背伸びして慣れないヒールを履くも、目的地にたどり着く前に既に靴づれができてしまった。

足に絆創膏を貼って訪れた先は、六本木ヒルズにあるベーカリー&カフェ「bricolage bread & co.」。そこには既に多くの人々が、ビールを片手に金曜の夜を楽しんでいた。

bricolage bread & co.の店内。イベントの為、皆ビール片手に賑わっていた。

ビール瓶をよく見ると、そこにはシンプルに「bread」と書かれている。そう、このビールは、この店のカンパーニュ「ブリコラージュブレッド」の耳からできている。今日はそのビールの完成披露パーティーなのだ。

原料の1つであるカンパーニュ(左)とその耳からできた"Bread Beer"(右)
「ブリコラージュブレッド」の耳をトーストしてスライスしたもの。これが醸造過程で投入される。

「このカンパーニュ、どうしても耳の端っこの部分だけ残ってしまうんです。お店でもプディングに使ったり、ラスクにしたりするんですが、まだ余っちゃう。農家にも肥料として(栄養素豊富だとか)渡していたのですが、人が食べられるものにも循環したいと思って」

そう話すのは、bricolage bread & co.のオーナーで、フレンチの名店L’Effervescenceのシェフである生江史伸さん。海外経験が豊富な生江シェフは、以前住んでいたイギリスのフードロス活動家、トリストラム・スチュアート氏が創設した、パンのあまりでできたビール、TOAST ALEについての記憶が蘇ってきたという。

左からbricolage bread & co.の生江さん、530weekの中村さん、AJBの佐藤さん、小林さん

そんなタイミングで運良く彼の元に訪れたのは、以前環境イベントで知り合った、「ごみを出さない経済循環」を提案する団体、530week代表の中村元気さんだった。生江さんの心中を察したかのように、「余ったパンで、ビールを作ってみませんか?」と話を持ちかけたそうだ。

そして、中村さんの友人が勤めていた長野のビール醸造所AJB(Anglo Japanese Brewing )のオーナー、トーマス・リブシーさんと手を組み、国内では前例を見ないとされる「パンビール」の製作に取り組んだ。

Breadビールも、他のビールと同様、麦とホップと水でできており、基本同じ工程で醸造される。その一環であるろ過のプロセスで、パンが投入されるそうだ。

で、気になるお味は?

パンでできたビールってどんな味なのかしら?ゴクリ。

飲みやすい!そして、おいしい!
パンでできてるなんて、言われないと分からない。いや、言われても分からないわ...。キリッと辛口というよりも、味わい深い奥深さを感じる。唐揚げや餃子よりも、意外と野菜やさっぱりした和食にも合いそうだ。

「『おいしい』が未来を変える、といいますか、とにかく『おいしい』がドライブなんです。『こんなおいしいのができるなら、うちもやってみるか?』と思ってくれるベーカリーや醸造所が増えて、この動きが広がってほしいですね」とイキイキとした笑顔で、生江さんは語っていた。

ビールは現在、bricolage bread & co.の店頭でのみ650円で販売されている。また、売り上げの1%は530weekに寄付される。今後は生産量を見ながら販売網の拡大も検討している。

 

金曜日、夜8時、六本木...。
ビール1本だけなので、酔いは回っていない。しかし、慣れないヒールによる足の疲労で、私はまだ始まったばかりの六本木の夜を早々と後にした。

 

◇◇◇

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