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2019年03月16日 12時22分 JST

イギリスのEU離脱、延期の可能性。協定案が三度否決されれば長期化も

メイ氏は「3度目の採決で否決されれば、離脱の延期は長期になる」と強硬派に圧力をかけ翻意を迫るという

朝日新聞社
英議会下院で14日、EU離脱の延期をめぐる採決結果の発表を聞くメイ首相(右から2人目)=AP

EU離脱延期、賭けたメイ首相 協定案否決なら長期化も

 英議会下院(定数650)は14日夕(日本時間15日未明)、欧州連合(EU)からの離脱の延期をEU側に求める政府動議を賛成多数で可決した。メイ首相は6月末まで、3カ月の延期をめざす。だが、議会で2度も否決された離脱協定案の3度目の採決を20日までに実施し、可決されることを条件にした。また否決されれば、方向性が固まらぬまま長期の延期となる可能性が出てくる。

 14日の採決は賛成413、反対202だった。前日には、EUと合意がないまま離脱する「合意なき離脱」は議会として拒否する動議も可決している。焦点は、実際にどれだけ延期できるかに移った。

 メイ氏は20日までに、離脱の条件を定めた協定案の3度目の採決を実施する。21~22日にEU首脳会議が開かれ、英国の離脱延期を受け入れるかどうかが話し合われるため、その前に英国としての方針を決める必要があった。

 メイ氏としては、EU側と合意していた協定案を議会にのませられれば、「手続き的に29日までの離脱期限に間に合わないため、3カ月延期させて欲しい」とEU側に頼む理屈が立つ。

 だが、1月と今月12日に協定案が否決されてきたのは、EUとの決別を望む与党・保守党の強硬離脱派が反発してきたからだ。

 協定案は、離脱後から2020年末までの「移行期間」に北アイルランドの国境管理の問題が解決しない場合、英国がEUの関税ルールに無期限にとどまる可能性のある規定が盛り込まれている。強硬派はこれに納得しなかった。いまも状況は変わらず、3度目が可決される保証はない。

 それでもメイ氏が賭けとも言える条件を付けたのは、「3度目の採決で否決されれば、離脱の延期は長期になる」と強硬派に圧力をかけることで、翻意を迫るためだ。長期間、離脱ができない状況になり、仮に総選挙や再度の国民投票などで離脱方針が覆るようなことになれば、強硬派にとっては元も子もない。

 12日の採決では保守党から75人が反対した。一部は次回、賛成に回る可能性があるが、閣外協力する北アイルランドの地域政党・民主統一党(DUP)の10人もこれまで反対しており、一気にひっくり返せるかは楽観できない。

(朝日新聞デジタル 2019年03月16日 06時43分)

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