ぶるぶる寒い北欧音楽祭by:Larmって? これが、今注目の音楽

by:Larm(ビー・ラルム)は一般向けの音楽祭でもあるが、世界各国からの音楽関係者が集まるビジネスという側面が強い。
鐙麻樹

Photo: Asaki Abumi

3月2~5日、ノルウェーの首都オスロで北欧音楽の見本市、by:Larm(ビー・ラルム)が開催された。北欧現地でもまだまだ知られていない、これから活躍が期待される新人ばかりが集まるショーケース。一般向けの音楽祭でもあるが、世界各国からの音楽関係者が集まるビジネスという側面が強い。この場で歌う歌手は、数年後に大物になる素質を秘めている。

音楽祭は夏に集中して開催されやすいが、by:Larmは、極寒の時期に雪が降る中でおこなわれる、特別なイベントだ。

今年は120人以上のアーティストが北欧を中心に勢揃い。

by:Larm2015の様子

マイナス2度と冷え込み、雪が降る中、人々は会場を次々と移動し、多くの音楽を聴く。

ノルウェー国営放送局が選出する優れたアーティストに贈られるUrørt賞は、by:Larmの会場で発表される。今年は20歳のノルウェーの若きラッパー、Cerzinando。

筆者が最終日2日間に聞いた中で、気になった北欧アーティストたち。

ノルウェーのエレクトロニカ、Gundelach。会場は満席、後ろからは何も見えない状態だったのだが、声のトーンが高いので、一瞬、歌っているのは女性かと思ってしまった。一緒にいたアメリカの音楽関係者が、「今回のby:Larm で一番いいかも」と隣でつぶやく。

スウェーデンのポップ王子、Mavrick。日本では一般的な「アイドル」的な歌手があまりいないのが北欧。会場でのパフォーマンスや存在感といい、日本だったら女性ファンを増やせそうな男性だなと感じた。シングル「Remedy」はガーディアン紙にも「今後、目が離せない」と称賛されたそう。

デンマークのエレクトロニカDJ、Kongsted

ノルウェーのソングライターDagny。ぜひともネットよりもコンサートで聞いて感じ取っていただきたいアーティスト。by:Larmのステージでは、楽しそうに飛び跳ねながら歌っていた。生で聞くと、パワフルなエネルギーが伝わってきて、元気になれるかも。

デンマークのポップバンドChinah

スウェーデンのKriget

聞きなれない音で筆者は混乱したのだが、アメリカから市場視察に来ていた関係者たちが特に注目していたグループ。「僕たちは音楽をたくさん聞きすぎていて、ヒットを狙った、似たような音には飽きているんだ。Krigetは新しい音だ」。

また、商業的な成果は関係なく、昨年発表したアルバムの質だけを評価した「フォノファイル・ノルディック・ミュージック・プライズ」を受賞したのは、ノルウェーのBand of Gold。You Tubeに作品は出ていないが、Soundcloudで視聴可能。おすすめ!

Text: Asaki Abumi

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