多様な性が調和する"ちらしずし"みたいな学校を全ての子供へ

私自身も、高校生であった半年前まで、学校の先生たちのLGBTに対する無理解に苦しめられた経験を持つ一人だ。

以前の記事『誰も隅に追いやられない教育へ~学校の先生がLGBTを知らなくて良いの?~』でも述べたように、日本の学校現場の多くは今でも、LGBTに対する理解が不十分である。

そう言う私自身も、高校生であった半年前まで、学校の先生たちのLGBTに対する無理解に苦しめられた経験を持つ一人だ。

「同性愛は気持ちが悪い」「同性婚を許す国が全く理解できない」と生徒の前で平気で言う先生や、男子生徒が二人で寄り添って歩いているのを見ると「お前らホモか?」と笑って言ったりする先生に、何人も出会ってきた。そんな言葉を放つ先生の中には、保健体育の先生や校内風紀担当の先生など、本来、校内で一番そういった発言に注意しないといけないと思われる先生もいた。

残念ながら私は、LGBTに無理解な先生がいる学校が当たり前だと思って育ってきた。

こういった経験から、「一人でも多くの人に、LGBTについて考える機会を持って欲しい」と強く考えていた私はこの夏、"にじいろちらしずし"というグループに参加してイベントを企画することになった。

"にじいろちらしずし"とは、2013年に愛知淑徳大学ジェンダー・女性学研究所の教育研究事業である演劇公演「にじいろちらしずし」を企画・制作したグループで、愛知淑徳大学の学生や卒業生を中心に構成されている。

性の多様性の象徴であるレインボーカラー(=にじ)に、多様なものが混在しつつ調和することの象徴として"ちらしずし"という言葉を組み合わせて出来た"にじいろちらしずし"。

前回2013年は、性の多様性に関する演劇とタレントの牧村朝子さんによるワークショップを開催したが、続編となる今回は、映画『ジェンダー・マリアージュ』の上映会と「日本の学校におけるLGBT問題」をテーマとした座談会を開催する。

座談会は、"にじいろちらしずし"メンバーが実際に見聞きした学校内でのLGBTに対する先生たちの対応や、HRWが今年5月に公表した『出る杭は打たれる』の内容などを基に行う。質疑応答として、来場者の方にも自由に発言していただける時間も用意している。

1人でも多くの方に来場していただき、学校内のLGBTの子供について考えるきっかけにして欲しい。

また、今回のイベントで上映する映画『ジェンダー・マリアージュ』(原題『The Case Against 8』/ 配給・ユナイテッドピープル / 2016)は、全米を揺るがしたアメリカの同性婚を巡る裁判の様子を描いたドキュメンタリー映画である。

日本ではアメリカに対して、同性婚が認められるなど"LGBTへの対応が先進的である"という印象が多く聞かれるが、実際にアメリカで同性婚をしたカップルやその家族はどんな環境に置かれているのかだろうか。日本の同性カップルやその家族の現状について考えながら、ぜひ観ていただきたい。

学生から社会人まで、ひとりでも多くの方に来場していただき、LGBTを身近に考えるきっかけにして欲しい。

映画『ジェンダー・マリアージュ』+座談会「日本の学校おけるLGBT問題」

日時:2016年8月11日(木・祝)

二部制(開場は30分前・入れ替え制) ①10時~ ②14時~

参加費(会場費、資料費):一般1,500円 学生1,000円

予約・問い合わせメールアドレス:rchirashi@merushika.com

(座席数に限りがあるため、ご予約をお願いいたします)

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