突然の休校、子どもをどうすれば? 親からは「見当もつかない」と困惑の声【新型コロナウイルス】

「フローレンス」代表理事の駒崎弘樹さんに、家庭で対応せざるを得ない場合にどのような策が考えられるのかを聞いた。

安倍晋三首相は2月27日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために、全国の小中高校と特別支援学校について、3月2日からの臨時休校を要請した

この判断に対し、ネット上では親らから「共働きの家庭はどうすればいいのだろう」「ひとり親家庭で、何をどう対応すれば良いのか見当もつかない」などと、困惑の声が上がっている。

病児保育などに取り組み、子育て家庭を支える活動をしているNPO法人「フローレンス」代表理事の駒崎弘樹さんは、「一斉休校を撤回してください」と訴える。

その上で、どうしても家庭で対応せざるを得ない場合にどのような策が考えられるのかを聞いた。

家庭が就労不能状態に陥ってしまう

厚生労働省は27日、全国の学校が臨時休校になってからも学童保育は開くよう全国の自治体に通知している

しかし駒崎さんは、「学童でのカバーについては、すぐにはできない学童が多いと思います」と指摘する。

「突然の通知だったため、人員を準備しておらず、学童保育を2日から終日化できる学校は多くないことが予想されます。学校教諭がサポートするなどのヘルプがないと、終日は難しいでしょう」

さらに、既に学童に通っているフルタイム就労家庭などの子どもは受け入れることができても、パート勤務家庭などで現在は学童を利用していない子どもを受け入れられるのかという問題や、子どもたちへの昼食の提供、障害児の受け入れ体制など、容易には対応できないであろう課題があると指摘する。

「これでは、パート・アルバイトのひとり親や、障害児を育てる家庭が就労不能状態に陥ってしまう。政府は休校要請の撤回、せめて休校期間の短縮をすべきです」

「図書館を開放して欲しい」

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実際に2日から休校になり、預け先がない場合、子どもたちの居場所はどうなるのかーー。

駒崎さんは、学校に行けなくなった子ども達が、公園や繁華街、コンビニのイートインなど、街に出ていくことが想定できるとし、事故や犯罪に巻き込まれる可能性を危惧する。

「まず、自治体には図書館を開放して欲しい。感染した場合重篤化しやすい高齢者や基礎疾患のある方々には入館規制をした上でです。図書館は安全かつ子ども達の教育にも良い効果をもたらします」

どうしても家庭で対応せざるを得ない場合は?

どうしても家庭で対応せざるを得ない場合、親など保護者にはどのような選択肢が考えられるのだろうか。

「どうしても家に子どもを置いておかないといけない家庭は、同様の家庭と当番制で集会所や家で子どもたちをみる、という形の工夫は考えられると思います」

「しかし、そういった工夫ができる環境にない家庭も多くあります。政府には撤回を、自治体には政府の要請を鵜呑みにせず、自らの地域の最善を考え、独自に判断して欲しいです」

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