COCOA(コロナ接触確認アプリ)で通知がきたのにアプリでは表示されない。この不具合が起きたらどうすればいい?

COCOAアプリを開くと、「接触は確認されませんでした」と表示される不具合が報告されています。実際に接触があったのか、ある場合はいつ接触したか、確認する方法をわかりやすく解説します。
新型コロナ・新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」
新型コロナ・新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」
HuffPost Japan

9月某日、厚労省が提供している新型コロナウイルス陽性者との接触確認アプリ「COCOA」から、「陽性者と接触した可能性がある」と通知が筆者のスマホに届いた。急いでアプリを開くも、「接触は確認されませんでした」の表示...。この不具合が起きたら、どうすればいいのか。実際に接触があったのか、ある場合はいつ接触したか、確認する方法を解説する。

※9月18日時点の情報や、筆者の個人的な体験などに基づいています。厚労省は、同様の不具合の報告が数千件寄せられているとして、調査や検証を始めています。そのため今後アプリの仕組みや同省の方針などが変更になる可能性もあります。

▼この記事に書かれてあること

①COCOAはどういう仕組み?
②どんな不具合なのか
③接触があったか確認する方法(iPhone)
④Androidの場合は、まず通知内容に確認を
⑤「一致したキーの数」が「1」以上だった場合 接触した日を確認する方法
⑥接触していたら、どうすればいい?
⑦アプリで通知=ただちに「濃厚接触者」ということではない

①COCOAはどういう仕組み?

「接触確認アプリCOCOA」は、1メートル以内の距離に15分以上いた人の感染が確認されると、相手に接触の可能性があることを通知する。

通知は、お互いがスマートフォンにCOCOAを登録していた場合に限られる。感染した人が、感染したことを登録すれば通知がくる仕組みだ。

厚生労働省のサイトによると、通知がきた場合はアプリの画面に表示される手順に沿って、自身の症状などを選択。帰国者・接触者外来などの連絡先が表示され、検査の受診などを案内するという。

②どんな不具合なのか

まず、陽性者との接触が確認されると、以下のような通知がくる。

COCOAから届く通知。「新型コロナ陽性者と接触した可能性がある」と記されている。
COCOAから届く通知。「新型コロナ陽性者と接触した可能性がある」と記されている。

しかし、アプリを起動させて「陽性者との接触を確認する」をタップしても、「陽性者との接触は確認されませんでした」と表示される。

アプリの通知と、起動した時の情報が「異なる」という不具合が報告されているようだ。

アプリを起動させても、「陽性者との接触は確認できませんでした」と表示される。
アプリを起動させても、「陽性者との接触は確認できませんでした」と表示される。

③接触があったか確認する方法(iPhone)

この不具合が起きたら、どうすればいいか。

厚労省は、iPhoneを使っている人に対しては、メール(appsupport@cov19.mhlw.go.jp)で連絡するよう伝えている。(※Androidの場合は、記事の後述を確認してください)

同省の疫学・データ班によると、メールで問い合わせを受けた場合、実際に接触があったかどうか、設定画面から確認する方法などを伝えているという。担当者はハフポストの取材に対し、「接触があると判明した場合は、帰国者・接触者相談センターを案内するなどの対応をしている」と説明した。

筆者は、以下の手順で実際に接触があったかどうかを確認した。メールを送らずとも、この方法で確認ができるため、参考にしてほしい。

◆iPhoneのiOSが13.7より以前の場合は、以下の手順で確認ができる。

設定

プライバシー

ヘルスケア

COVID-19接触のログ記録

接触チェックの記録

この手順で画面を開くと、過去の「ログ」を確認できる。このログから、「一致したキーの数」を確認する。「一致したキーの数」が「1」以上だと、陽性者との接触があったことになる。接触がなければ「0」と表示される。

ログは大量に残っているため、全部確認するのは大変だが、通知がきた日を中心に一つ一つ確認していこう。

▼接触チェックの記録(ログ)の一覧画面

「一致したキーの数」が「1」以上だと、陽性者との接触が確認されたことになる。確認されない場合は、「0」と表示される。

画像を一部加工しています。
画像を一部加工しています。

◆iPhoneのiOSが13.7以降の場合は、以下の手順で「一致したキーの数」を確認できる。

設定

接触通知

使用中

接触チェックの記録

HuffPost Japan

④Androidの場合は、まず通知内容に確認を

筆者はiPhoneユーザーのため、Androidでの動作は残念ながら確認できないが、厚労省のQ&Aによると、まずは通知の内容を確認する必要がある。

「今週のリマインダー 新型コロナウイルス 接触確認アプリで濃厚接触の可能性を通知するシステムがオンになりました」という通知だった場合、陽性者との接触があったことを知らせるものではないという。

使っているスマートフォンが、陽性者との接触があったかどうかを確認する機能が有効になっているか、定期的に知らせるためのプッシュ通知だという。

▼この通知は、陽性者との接触を知らせるものではない

厚労省より

また、プッシュ通知をタップすると、「濃厚接触の可能性の通知」という画面が表示されることがあるという。

厚労省によると、この表示は、使っているスマホが陽性者との接触があったかどうか確認を行った履歴という。

陽性者との接触の履歴を表示しているものではないため、接触の有無はCOCOAを起動して確認するよう伝えている。

このいずれかで解決しない場合は、メール(appsupport@cov19.mhlw.go.jp)での問い合わせを受け付けている。

▼この画面は、陽性者との接触の履歴を表示しているものではないという。

厚労省より

⑤「一致したキーの数」が「1」以上だった場合 接触した日を確認する方法

「一致したキーの数」が「1」以上のログがあった場合は、陽性者と接触した可能性がある。

筆者も「1」と記録されたログがあった。

ここから、さらに陽性者と接触した日を確認する方法がある。

まずは、ログに記載されている「HASH」(ハッシュ)を確認しよう。

「HASH」値はここで確認できる。(画像は一部加工しています)
「HASH」値はここで確認できる。(画像は一部加工しています)

そして、このハッシュの文字列を、以下のサイトで入力する。すると、接触した日を確認できる。

Search for Hash keys (CACAO Test)
https://cacaotest.sakura.ne.jp/

有志が提供する非公式のサイトだが、厚労省が公開しているコードを元に、ハッシュ値から接触日を計算しているという。接触した日を確認したい場合は、このサイトを参考にしよう。

⑥接触していたら、どうすればいい?

厚労省は、接触の通知を受け取った場合、以下のように対応するよう求めている。

接触確認アプリで陽性者との接触の可能性について通知を受け取った方は、症状がある場合、過去2週間以内に身近に接した方に感染者や症状のある方がいらっしゃる場合、またこれらの心当たりがなくても帰国者・接触者外来等への受診を希望する場合は、自宅待機の上、速やかに帰国者・接触者外来等の受診を御相談ください。

いずれにも当てはまらない方は、普段通りの生活をしていただいて差し支えありませんが、体調に変化があった場合には速やかに接触確認アプリに表示される各自治体の連絡先にご相談ください。

接触確認アプリ利用者向けQ&A|厚生労働省

厚労省は、アプリで通知を受け取った場合、希望者全員が迅速に検査を受けられるように自治体に求めている。 しかし、地域によっては検査体制が整っておらず、症状がない場合は検査を受けられないなど、対応にはバラつきがあると見られる。

筆者は、帰国者・接触者相談センターに電話して相談したが、「感染者との接触に心当たりがない」などの状況から、保健所でPCR検査は受けることができない、と伝えられた。

そのため、PCR検査を受けられる医療機関を自分で探し、PCR検査を受けた。

結果は「陰性」

しかし、2週間程度は外出を控えることを決め、マスク着用や手洗いなどの感染予防を改めて徹底している。また、本当は感染しているのに陰性と判定される「偽陰性」のことも考え、こまめに体温を計り、何かあれば医療機関に相談するつもりだ。

さらに過去2週間ほどの勤務記録などを辿り、その間に接触した関係者にも注意を促した。

⑦アプリで通知=ただちに「濃厚接触者」ということではない

新型コロナ・新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」
新型コロナ・新型コロナウイルス接触確認アプリ「COCOA」
時事通信社

なお、アプリで通知を受け取ったとしても、それだけで「濃厚接触者」になった、ということではない。

濃厚接触者に該当するかは、保健所の調査をふまえて判断されるため、留意しておきたい。

厚労省は以下のように説明している。

濃厚接触かどうかを判断する上で重要な要素は上述のとおり、1.距離の近さと2.時間の長さです。必要な感染予防策をせずに手で触れること、または対面で互いに手を伸ばしたら届く距離(1m程度以内)で15分以上接触があった場合に濃厚接触者と考えられます。

(中略)

新型コロナウイルス感染者から、ウイルスがうつる可能性がある期間(発症2日前から入院等をした日まで)に接触のあった方々について、関係性、接触の程度などについて、保健所が調査(積極的疫学調査)を行い、個別に濃厚接触者に該当するかどうか判断します。

(中略)

なお、15分間、感染者と至近距離にいたとしても、マスクの有無、会話や歌唱など発声を伴う行動や対面での接触の有無など、「3密」の状況などにより、感染の可能性は大きく異なります。そのため、最終的に濃厚接触者にあたるかどうかは、このような具体的な状況をお伺いして判断します。

濃厚接触者と判断された場合は、保健所の指示に従ってください。濃厚接触者は、感染している可能性があることから、感染した方と接触した後14日間は、健康状態に注意を払い(健康観察)、不要不急の外出は控えてください。

新型コロナウイルスに関するQ&A(一般の方向け)|厚生労働省

厚労省の疫学・データ班によると、アプリの不具合については、現在調査を進めているという。担当者はハフポスト日本版の取材に対し、「利用者にはご迷惑をお掛けしている。調査結果をふまえて迅速に対応させていただきたい」と回答した。

通知を受け取ると、心当たりがなくても不安が募るが、慌てずに冷静な行動をとることが必要だ。この記事が少しでも役に立つことを祈りたい。

※9月18日時点の情報や筆者の個人的な体験などに基づいています。厚労省は、同様の不具合の報告が数千件寄せられているとして、調査や検証を始めています。そのため今後アプリの仕組みや同省の方針などが変更になる可能性もあります。

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