慰安婦問題「日韓合意では解決されぬ」 文在寅大統領が声明

一方で「歴史問題の解決とは別に、正常な外交関係を回復していく」とも主張した。
27日、ソウルの在韓日本大使館前に設置された慰安婦を象徴する少女像の前で、日韓合意の無効を訴える学生ら
27日、ソウルの在韓日本大使館前に設置された慰安婦を象徴する少女像の前で、日韓合意の無効を訴える学生ら
時事

慰安婦問題「日韓合意では解決されぬ」 文大統領が声明

韓国の文在寅(ムンジェイン)大統領は28日、慰安婦問題を巡る日韓合意について「手続き上も内容上も重大な欠陥があったと確認された」と指摘し、「両首脳の追認を経た政府間の公式的な約束という重みはあるが、大統領として、この合意では慰安婦問題は解決されないと再び明らかにする」と表明した。

韓国の外相直属チームが27日に発表した日韓合意の検証結果を受けて、大統領府報道官を通じて声明を出した。声明では「被害者中心の解決という原則の下、早急に後続措置を用意してほしい」と関係部署に検討を指示したことを明らかにした。合意を維持するかどうかは言及していない。

文氏は5月の大統領選で合意は「誤りだ」として再交渉を公約した。だが大統領就任後は「再交渉」という言葉を封印している。

一方で声明では「歴史問題の解決とは別に、韓日間の未来志向的な協力のために、正常な外交関係を回復していく」とも主張した。対日関係を歴史問題とそれ以外を切り離す「ツートラック(二つの路線)」戦略で改善したいという意欲を示した形だ。(ソウル=武田肇)

(朝日新聞デジタル 2017年12月28日 12時02分)
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