新型コロナが乳児に感染、山梨と福岡。「低年齢の小児に重症の割合が多い」の論文も

アメリカでは生後6週間の男児が死亡。乳幼児への感染対策に十分な注意が必要だ。
乳児のイメージ写真
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Halfpoint Images via Getty Images

乳児の新型コロナウイルスへの感染報告が、国内で相次いでいる。3月30日から4月1日にかけて、福岡県や山梨県で0歳女児が感染。山梨の女児は一時、心肺停止状態になり、蘇生したが重症だという。アメリカでは生後まもない男児が死亡するケースも出ているほか、中国の研究者が「低年齢の小児に重症の割合が多い」とするレポートを発表している。乳幼児への感染に十分な注意が必要だ。

■山梨と福岡で0歳女児が感染

山梨県は4月1日、県内に住む0歳の女児が新型コロナに感染したと発表した。3月31日に一時、心肺停止状態となり、山梨大学附属病院に緊急搬送され、PCR検査で陽性が確認された。朝日新聞デジタルによると女児は蘇生はしたが重症で、集中治療室で治療を受けている。附属病院の見解では、心肺停止になった原因は不明だが、肺炎の症状が軽いことから、感染との関連は低いとみているという。

福岡市も3月30日に、同市南区の0歳の女児と、20代の母親が新型コロナに感染したと発表した。女児は38度台の発熱があったという。九州朝日放送によると、この2人は28日に感染が確認された60代男性の娘と孫。濃厚接触者としてPCR検査を受けたところ、30日に陽性と確認されたという。

また、年齢は公表されていないが、新潟市中央区の10歳未満の男児と、30代の母親が3月12日に感染が判明していたNHKニュースによると、男児は10日に感染が確認された30代の会社員の男性の家族。鼻水が出る症状があったという。

■アメリカでは生後6週間の男児が死亡

また、アメリカ東部のコネチカット州では、生後まもない乳児が新型コロナに感染して死亡したことが分かった。

FOX17ニュースによると、生後6週間の女児で、意識がない状態で病院に搬送されたあと死亡。その後、新型コロナウイルスに感染していたことが確認されたと地元当局が発表したという。

■「低年齢の小児に重症例の割合が多い」とするレポートも

日本小児科学会は公式サイトに「小児における症状や注意点に関するQ&A」を掲載。その中で、「子どもの感染者数は成人と比べると少ないですが、感染しやすさは成人と変わらないこともわかってきました」と説明している。

また、同学会では、中国の小児科の病院や大学などの研究グループがアメリカの医学雑誌の電子版で発表した論文紹介した

これは中国全土の小児例2143例(新型コロナ確定731例、新型コロナ疑い1412例)のレポートで、重症例の割合は1歳未満で10.6%、1~5歳で7.3%、6~10歳で4.2%、11~15歳で4.1%、16歳以上で3.0%と低年齢の小児に重症例の割合が多いことが確認されたという。

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