「コロナ禍でも働けるように」障害者ら、キッチンカーでカレー販売。60食完売も

キーマカレーはレストランで数日かけて仕込んでおり、スパイス感があるが辛すぎないのが特徴。
行列ができたランチ販売(1日、世田谷区役所で)
行列ができたランチ販売(1日、世田谷区役所で)
福祉新聞

東京都世田谷区で障害者が働くフレンチレストラン(就労継続支援B型)などを運営する社会福祉法人藍(大野圭介理事長)は、6月から週2回、キッチンカーでのランチ販売を始めた。メニューはキーマカレー(500円)。数量限定だが、行列ができる盛況ぶりだ。

レストランは新型コロナウイルスの影響で一時休業し、6月1日から時短営業で再開したものの、売り上げはコロナ前の7割まで落ち込んだ。

法人ではコロナの影響もあり、以前から計画を進めていた「認定NPO法人ハンズオン東京」のキッチンカーの運営委託を受けた。同法人はインクルーシブな社会をつくる活動などを展開しており、学生ボランティア団体「かけわ」も含めた3者で連携して取り組んでいる。

キーマカレーはレストランで数日かけて仕込む。スパイス感があるが辛すぎないのが特徴。「かけわ」が栽培した野菜の酢漬けも添える。

毎週水曜は世田谷区役所で販売。障害者は呼び込みや食券の販売のほか、キッチンカー内では慣れた手つきでごはんやカレーをよそう。トッピングにチーズが人気と分かれば変更するなどの工夫も凝らす。この日で3度目というお客さんも「おいしい」と絶賛。予定の60食を完売した。

区役所での販売は、複数の障害者就労支援事業所と合同で行っている。区の障害者就労支援担当、柴原誠さんは「障害者事業所の販売会が軒並み中止となり、売る場所がないと相談を受けていた。応援できればと場所を提供した」と言う。

大野理事長は「今後はメニューを増やし、販売も週4日になる予定。忙しくなるので体制を考えたい」と話す。コロナの影響については「引きこもりがちな利用者が自粛でまた引きこもってしまう懸念がある。第2波に備え、働き続けられるような形にしていきたい」と話している。

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