アート&カルチャー
2019年04月15日 20時04分 JST

電気グルーヴ作品回収への反対署名を提出 ソニー・ミュージック「たくさんの方に愛されていることを改めて認識した」

6万4000人以上の署名が世界中から集まったことについて、「電気グルーヴがたくさんの方に愛されていることを改めて認識しました」とコメントした。

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記者会見する首都大学東京教授の宮台真司さん、ミュージシャンの巻上公一さん、発起人のかがりはるきさん、永田夏来さん、ミュージシャンのダースレイダーさん

ピエール瀧被告が所属するテクノユニット「電気グルーヴ」の作品回収に反対する署名活動を始めた有志らが4月15日、ソニー・ミュージックレーベルズに約6万4000人分の署名を提出。提出後に、都内の文部科学省で記者会見を開いた。

署名活動の発起となったのは、社会学者の永田夏来さんと音楽研究家のかがりはるきさん。賛同者として、首都大学東京教授の宮台真司さん、ミュージシャンの巻上公一さん、ダースレイダーさんも会見に参加した。

永田さんとかがりさんは3月15日、作品回収の撤回を求める署名活動をChange.orgで開始した。

瀧被告の逮捕を受けて電気グルーヴの音源・映像を自主回収したソニー・ミュージックレーベルズの措置に反対し、作品を自由に聞いたり、買えたりする状態に戻すことを求めている。

署名への賛同者は、開始から1週間で6万人を突破。4月10日までに世界79カ国から6万4606人の署名が集まった。 

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世界79カ国から6万4000人分の署名が集まった。

「選択肢が与えられていない」 反対署名賛同者の思い

発起人・賛同者の5人は15日、ソニー・ミュージックレーベルズを訪問し、6万4606人分の署名を提出した。

永田さんによると、署名は受け取ってもらえたが、質問や話し合いの機会は設けられず、3分ほどで面会は終わったという。

同社の対応について賛同者の宮台さんは、「『質問はなしという話だった』と言われました。よほど自信がないのか、だらしがない印象を受けました。作品の封印に正当な意味があるならば、とうとうと述べるべきだと思います」と批判した。

ミュージシャンとして反対署名に賛同した巻上公一さんは、自粛の措置に「理解できないような違和感があった」と話す。

「一緒にどうやって乗り切るのか、どうやったら社会的な信用を回復できるのか、これを手助けをするのが所属会社の使命だと思っている。そういった意味でも、在庫回収や配信停止の措置はやめていただきたいと思います」(巻上公一さん)

ダースレイダーさんは、不祥事によって関連作品が軒並み”自粛”の対象になる風潮に疑問を呈した。

「社会から法を犯して脱落してしまった人を復帰できるようにするのか、あるいは抹殺していなくなるようにするのか、その選択肢がテーブルに乗っているが、残念ながら今は抹殺する方に加担してしまっているのではないか」

「売り上げが(反社会勢力など)悪いところに流れるのではという問題の対策には、例えばダルクのような団体にソニーが売り上げを寄付すれば、社会的影響を鑑みた行動になるのではないか。こうした選択肢がそもそも与えられていない」(ダースレイダーさん)

永田さん、かがりさんの2人は、「一度製作された作品は、作り手だけではなく受け手の財産でもある」と訴える。

「受け手側と表現する側の共有の財産である『作品』というものについて、新しい考え方を作っていきたい。いろいろな方に賛同していただいているが、ミュージシャンの方にももっと声を上げていただきたいと思います」とも話した。

ソニー・ミュージック「裁判の行方を見守りながら次の判断を検討する」

ソニー・ミュージックエンタテインメントの広報担当者によると、署名はソニー・ミュージックレーベルズの辻野学社長が受け取ったという。

6万4000人以上の署名が世界中から集まったことについて、「電気グルーヴがたくさんの方に愛されていることを改めて認識しました」とコメント。

署名は関連商品の回収に対し撤回を求めているが、「今後の裁判の行方を見守りながら、次の判断を検討していきます」と述べた。