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2020年12月14日 10時36分 JST

今、誰もが疲れている。だからこそ考えたい「ついやりたくなるSDGs」のかたちとは?

SDGsの活動は、何より持続できることが大切。そのために留意すべき5つのポイントを紹介します。

Dentsu Team SDGs
ノーペコくんキャラクター 企画・福里真一、デザイン・古谷萌

長引くコロナの影響で、誰もがさまざまに疲れている。でもだからこそ、より困っている方々のために、できること、やるべきことがあるはずだ。そう考える機運が、今の世の中には確かにある。「子どもと食」を考える当ラボも、その機運に漏れることなく、この9月に、二つの活動を実施した。何かはしたいが、初めの一歩が踏み出せないという読者のために、参考事例としてご紹介したい。

「子どもと食」の問題を、みんなの自分ごととなるように、楽しい形で解決するーー。「良いことだからではなく、楽しいことだから、だれもがついやりたくなる社会貢献」を目指し、昨年頭、当ラボは生まれた。SDGsの活動は、何より持続しうるものである必要がある。そのため、立ち上げの際は、下記のポイントに留意した。

1)心底興味があり、心底なんとかしたいと思う事業やテーマを見つけて取り組む。

2)活動の根っことなる、目的、柱を明確化する。

3)やるべきと思うことならためらわず、周りにどんどん相談してみる。

4)企業協賛を募る際は、その企業への提案の必然性、その企業が参画する意義を、丁寧に検証して提案する。

5)自分の身近な人とや身近な場所でできることから始め、経験則を積み上げる。

活動の経緯を語ることで、これらについて説明していこうと思う。

筆者は高校までの12年間ボランティアを重んじる学校に通い、それ以上の時間、人の心を楽しくチアアップする電通クリエーティブ局にいる。その自分のルーツを生かして、「子どもと食」のためにできる楽しい活動を生涯かけてやっていきたい。電通にいるからこそできる、たくさんの企業やメディアを絡めた広がりのある活動をしていきたい。その強い思いが、ラボの設立へとつながったのが昨年のことだ。

POINT何か始めたいときは、最初に、自分が心底興味があり、心底大事だ、なんとかしたいと思うテーマを見つけよう。

さてラボは立ち上がった。メンバーには、精鋭のクリエーターやプランナーがそろっている。とはいえ、できたてのラボが、いきなり協業の相手に選ばれるかは分からない。そこで、毎年9月9日を、「子どもと食」の問題について誰もが考え行動する「グーグー(お腹グーグーの意味)の日」と定義した。ラボ活動の旗印をつくり、それをラボメンバー、企業、世の中全体、そして自分自身の行動のきっかけにするためだ。活動初年度の昨年、この日は日本記念日協会の共感を得て正式に認定され、以後ひと月はグーグー月間となった。

POINTまずは、自分が実現したいこと、活動の根っことなる目的や柱を明確化してみよう。

「コロナに負けるな!エンジョイ・パントリー」on グーグーの日

2年目の今年は、長引くコロナ禍の影響で、グーグーの日を目指して4カ月かけて進めていたオンラインイベント「グーグーの日だヨ!オンラインノーペコ食堂」が中止となってしまった。しかし、コロナ禍だからこそできること、やるべきことがあるはずだという思いが消えず、去年に活動を共催してくださった「みなと子ども食堂」に、昨年発足した港区子ども食堂ネットワークを紹介いただいた。

同ネットワークとのやりとりの中で、港区の「エンジョイ・ディナー」事業(この7月13日から12月25日までの平日、コロナ禍で本当に大変なご家庭に無償で夕食のお弁当を配布している港区の事業)を知り、この事業と連携するパントリーイベントをラボとして提案。そして、日本製粉からの700袋のパスタをはじめ、10社以上からの食料を9月9日、グーグーの日にお弁当とともにお渡しする「コロナに負けるな!エンジョイ・パントリー」を実施することができた。

POINT:思いがあるなら、話せば風穴を開けてもらえたりする。実現にはエネルギーがいるが、やるべきことならためらわず、周りにどんどん相談してみよう。

電通Team SDGs
「コロナに負けるな!エンジョイ・パントリー」のチラシ表面。デザイン・古谷萌、堀越理沙
電通Team SGDs
「コロナに負けるな!エンジョイ・パントリー」のチラシ裏面。デザイン・古谷萌、堀越理沙

企業協賛の実現に向けては、その企業にこそお願いしたい理由を明確化し、やる意義があると納得いただくことに留意した。例えば日本製粉には、困っている方に一番喜ばれる食料は乾麺であること、また日本初の製粉会社として、米不足の時代に人造米で世の中を救われたという歴史。その力をこの困難な状況に再びお貸しいただきたい旨をお伝えした。担当営業をはじめ同社の方々が活動に共感し、快く応じてくださったことで、このイベントは実現に至ることができた。

POINT:企業協賛を募る際は、その企業への提案の必然性、その企業が参画する意義を、丁寧に検証して提案しよう。

他にも、港区子ども食堂ネットワーク会員をはじめとするさまざまな企業からのご寄付や、会員の皆さま、制作会社ピクトやトレードマーク、ママ友、学友、ラボメンバー、他たくさんの力をお借りして、本イベントは最終的に、811人の方々を笑顔にすることができた。

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811人を笑顔にした、エンジョイ・パントリーの食料品の一部

白金商店会で、「ノーペコくん弁当」販売

また、グーグー月間中に、ラボメンバーたちからアイデアとして挙がっていた、広く一般の子どもたちを笑顔にするための食のイベント「ノーペコくん弁当販売」も実施した。こちらは、港区の白金商店会と共催した。企画したラボメンバーの一人と私の自宅に近く、先方の状況や意向を詳細に知るために頻繁に通うことが可能な商店街だ。実際、毎日のように伺った。

POINT自分が動きやすい、身近な場所での実施から検討しよう。

まずは商店会の会長や副会長を訪ね、ラボ活動に共感いただいた上で、各飲食店による子ども向けのお弁当、「ノーペコくん弁当」販売の協力を仰ぐことができた。焼肉ジャンボ白金、タランテッラ・ダ・ルイジ、ベッカライ・ブラウベルグ、ミモザといった飲食店が共催してくださり、ノーペコくん弁当は、たくさんのお子さまたちを笑顔にすることができた。イベント期間終了後には、各店舗から売り上げの一部を、全国子ども食堂支援センター・むすびえにも寄付いただけた。今後も子どもたちの笑顔と白金商店会の活性化のために、できることを続けていくことが大切だと思う。

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ノーペコくん弁当販売のチラシ表面 イベント企画・小林麻里奈、福島崇幸、佐藤大悟、堀越理沙、デザイン:古谷萌
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ノーペコくん弁当販売のチラシ裏面 イベント企画・小林麻里奈、福島崇幸、佐藤大悟、堀越理沙、デザイン:古谷萌

この二つのグーグー活動は、週刊文春をはじめ、MARTや、nicolaの裏表紙に原稿掲載され、週刊文春、週刊新潮、AERA、週刊朝日、サンデー毎日、MART、朝日小学生新聞にも記事化された。さらに、Soya international代表の森美可さんから、ラボに対して個人的に、23万1000円の寄付を頂き、こちらも全国子ども食堂支援センター・むすびえに、全額寄付させていただいた。

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グーグー月間2020 活動掲載原稿 デザイン・古谷萌
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おにぎり型募金箱 デザイン:大根田英俊 (kaukokaipuukobo)
朝日小学生新聞記事

こうして2年目のグーグー月間のラボ活動は終わった。今年生まれた新たなつながりを大切に、これからもラボメンバーのクリエイティブ力や電通の多様な伝播力を生かし、さまざまな企業や世の中のみんなと一緒に、この活動を楽しく大きく、丁寧に続けていきたいと思っている。 

SDGs活動の最大のポイントは、持続しうるかどうか、だ。

<プロフィール>

電通のラボ:電通 ノーペコラボ

子どもと食の問題を、歌、言葉、デザインのチカラで解決する、CSV企画実践サポート集団。SDGsの目標「#1貧困」と「#2飢餓」に則り、子どもの居場所・孤食・働くママの支援などの課題意識のもと、商品や事業の価値向上につながる新しいビジネスアイデアで、企業と、世の中と、世界中の食のボランティア団体とともに、子どもと食の問題を、楽しく大きく解決していく。

#電通TeamSDGs

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