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2020年04月17日 18時47分 JST | 更新 2020年04月17日 18時47分 JST

日本のSDGs広告を見続けて分かった「企業のメッセージ」に足りないものとは?

3つの言葉を組み合わせて、企業理念を”SDGs化”する思考実験をしてみよう。

SDGsに取り組む企業が増えました。
でも、自分たちがやっていることを社会に向けて説明するのは、とっても難しい。
SDGsの取り組みをうまく発信する「伝え方」ってなんだろう?
SDGsのことを発信する前に、「自身を見つめ直すこと」ってどういうこと?
電通のTeamSDGsが「SDGsの語り方」や「アプローチの仕方」のヒントをお届けします。

パーパス(社会的存在意義)のないブランドは生き残れないといわれる中、企業の多くが、SDGsを通して自らの存在を見直し始めた。なぜ、SDGsに取り組むのか。それを「SDGsストーリー」と称して、日本企業のSDGsコミュニケーションを振り返り、そのストーリーテリングの始め方について考えてみたい。

日本のSDGs広告、ストーリーを語る企業は少ない?

ここ数年、われわれ電通TeamSDGsでは新聞広告を中心に、日本企業のSDGsテーマでの広告を追いかけてきた。

2018年の初めくらいからだろうか、SDGsロゴの入った広告が散見されるようになった。SDGsが採択された2015年から少し時間がたち、企業は、自社の言葉でSDGsを語り始めた。

「持続可能な社会づくり」「再生エネルギー」「ゼロエミッション」「RE100」など、いかにもSDGs的なコピーが並び、SDGsバッジをつけた経営トップが登場する企業広告が目立った。「三方よし」という、言わば日本発のSDGsともいえる言葉の広がりもこの頃だったと思う。

ラベリングから、積極的なストーリーテリングへ

理念を語る企業広告。あるいは、具体的な取り組みや技術を語る広告。それぞれSDGsの17目標の何番(WHAT)に取り組むかは訴求されたが、なぜ(WHY)自分たちはSDGsに取り組むのか、それを伝えるメッセージは少なかった気がする。実際、企業のサステナビリティ担当者の方と接する中でも、なぜ(WHY)を見つけるのに苦労している印象だった。

電通TeamSDGs提供

本来ならアイコンのラベリング以前に、自社のパーパス(社会的存在意義)に照らし合わせ、一貫したストーリーで、それぞれの取り組みを語る必要がある。

投資家をはじめとしたステークホルダーの評価を得るだけでなく、生活者に向けて、社会課題の解決の具体的な方向性と将来ビジョンを伝えることが、企業価値を高めることにつながるからだ。そして社員にとっては、自社をどう語るか。ある意味“話したくなる語り口”が大事になってくるはずだ。

そうして生まれたプロジェクトなら、発信に当たってはさまざまなコミュニケーションが考えられ、さらにPR視点を持つことで、より一貫したストーリーテリングも可能になる。

ストーリーテリングをはじめるヒント

また、企業理念と個々の具体的なアクションをつなぎこむには、いくつかのレイヤーとポイントがある。

・すでにある企業理念/ビジョンとSDGsをどう結びつけるか(ビジョン → SDGs)
・これまでやってきた活動とSDGsをどう結びつけて再定義するか(SDGs → アクション)

前者が、ワークショップなどで演繹(えんえき)的に探っていくやり方なら、後者はアクションありきで帰納的に探していく方法で、企業規模や歴史の長さ、組織風土によってアプローチは変わってくる。

・事業をベースにしたSDGs の打ち出しから、社会課題から導いた打ち出しへ(Society In)

いまだに社会貢献の文脈で語られてしまいがちなSDGsだが、あくまで本業で利益を生むことで、自社も同時にサステナブルに成長していかなければならない。自社とともに社会が共に発展・成長していく具体的なイメージを共有し、ステークホルダーに共創を呼びかけていく。そのために必要なのが、社会課題からの打ち出しだ。

電通TeamSDGs提供

ここで、自社の企業理念を“SDGs化”する上での思考実験をしてみたい。図にあるような三つのワードを組み合わせて、簡易的に言葉を開発してみてはどうだろう。そこに腹落ち感があるかどうかで、ストーリーテリングのきっかけが見えてくるように思う。

ワーディングは、なるべく名詞ではなく動詞を用いることで、より企業のパーパスが鮮烈に描けるはずだ。「豊かな食環境の実現」よりも「すべての人に、必要な栄養を届ける」、「森林(海洋)資源の持続可能な開発」よりも「100年先も、この森(海)を守る」、といった具合に。

創業時のストーリーを今につなげる

SDGsに先進的な企業の語り口は、とても分かりやすい。創業者の言葉や理念から語る企業、あるいは100年前の第1号製品から語る企業、社名そのものにストーリーを持つ企業もある。そのルーツを業界別に見ていくのも興味深い。

例えば、食品メーカー。100年の歴史を持つ企業なら、栄養が不十分だった当時の日本の食生活を改善するために創業した企業も多いだろう。日用品メーカーなら、当時の衛生問題を。化学メーカーなら、きっと環境問題を解決するソリューションを生み出すために創業しているはずだ。

およそ全ての企業が、SDGsという目標が生まれるずっと前から、当時の社会課題を解決するために生まれている。そう考えれば、SDGsの理念と企業の理念がシンクロしやすくなるはずだ。 

本記事では、「SDGsストーリー」という考え方を提唱させていただいたが、以降の連載では、企業理念/パーパスからのアプローチ(パーパス・デザイン)と、アクティベーションからのアプローチ(コアイシューの発見)、そして特に伝えるフェーズにおいて重要なPRの視点(SDGs×PR)から迫っていきたいと思う。

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