自分が住まう街での地域デザイン「こすぎの大学」(その10)~サードプレイスのつくりかた

2年前から公開し始めて現在では29個のノウハウを蓄積できました。

僕が住まう街、神奈川県川崎市。

その川崎市で急速に再開発が進む街、武蔵小杉。僕は、武蔵小杉で2013年9月から「こすぎの大学」というソーシャル系大学を仲間と企画運営しています。

こすぎの大学

「こすぎの大学」は、毎月第2金曜日の夜、武蔵小杉に住んでいる・勤めている・関心のある方々が集う"学び舎"です。毎回、武蔵小杉に関わりのある方が"先生役"として登壇し、武蔵小杉での活動事例や想いを語っていただき、その後、"生徒役"である参加者同士が対話を通じて武蔵小杉の魅力を再発見すると同時に価値創出につながるアイデアを共創します。小学校のように4時限の授業形式でワークショップを進めることで、オトナがコドモのような純粋なキモチで街づくりを楽しむ、それが「こすぎの大学」です。

2013年9月の開校以来、4年半の月日が経ち、開催回数も2018年3月末で合計63回に至りました。

働き方改革の中でワークライフバランスやサードプレイスなどが再注目されています。自宅でも職場でもない第三の居場所(サードプレイス)の一つとして「こすぎの大学」も位置付けています。現在、サードプレイスが増え続けている中、参加するだけでなく、自ら企画運営しようと検討されている方も多いと思います。そのような方々に向けて「こすぎの大学」を通じて得られたノウハウを公開しています。2年前から公開し始めて現在では29個のノウハウを蓄積できました。今回は、このノウハウの一部を紹介します。

※ごくごく当たり前のノウハウもありますが、ご容赦ください。

ワンコイン制

参加費は500円。有料だからこそ、参加意識が高まり、先生役からの話を自分事に変換したり、ワークショップで創出したアイデアを自分事としてアクションにつなげるための動機付けになる。

こすぎの大学

ニックネーム

会社や学校とは違い、年齢や役職は関係ない誰もが対等の関係性のサードプレイス。対等な関係性であることを意識させるためにできる限りニックネームで呼び合う。事務局自らがニックネームを使用し、事務局と参加者の関係も対等であることを伝える。

こすぎの大学

初参加者の感想を聴く

常連メンバーが初参加者を温かく出迎える一方で、常連メンバーに気を遣ってしまい、初参加者自らが率先して発言するのが難しいのも事実。懇親会で初参加者一人ひとりから感想を発表してもらうことで、イベント参加でのやり残した感をなくすようにする。

こすぎの大学

学生証 兼 名刺

サードプレイスで知り合った方々との挨拶で使用する名刺。会社の名刺を使いたくない方、主婦や学生など名刺がない方もいるため、「学生証 兼 名刺」を提供。自己証明の学生証でなく、コミュニケーションツールとして使える学生証。

こすぎの大学

他コミュニティへの参加

自分たちのコミュニティに参加してもらうだけでなく、率先して他コミュニティにも参加する。お互いのコミュニティに参加し合うことで、仲間意識や信頼関係を高め合い、地域内の繋がりを緩やかながらも強固にしていく。

こすぎの大学

都市コモンズとしてのサードプレイス

●誰もが参加しやすく、立ち寄りやすいこと

●誰もが抜けやすいこと

●誰もが戻りやすいこと

●誰もが主役にもなれ、サポーターにもなれること

●参加していない方も参加している感があること

●その場のアイデアがいづれはアクションにつながる期待感と達成感があること

こすぎの大学

こんな感じで現在では29個のノウハウがあります。

マネージメントが徹底されている会社と違って、サードプレイス、特に地域コミュニティの場合、ノウハウが属人化しているため、可視化されることがなく、継承されるのが難しいという一面があるのも事実です。たった一つのノウハウが、自分では大したことがないと思っている一つのノウハウがメモのような形式でも良いので残しておくだけで、それは都市コモンズとしての重要な共有財産になります。ぜひ、コミュニティを企画運営されている方は、少しずつでいいのでノウハウを残していきませんか?ノウハウを残すことで新しいコミュニティが立ち上がりやすくなり、結果として自分が参加したいコミュニティの選択肢が増えることになります。誰かのためだけでなく、自分のためにもノウハウを残すことをオススメします。

市民参加型街づくりコミュニティのノウハウ集 Ver.3.0 from 克彦 岡本

「こすぎの大学」は、毎月第2金曜日の夜、武蔵小杉周辺で開催しています。お時間&ご興味があれば、ぜひ、学び&遊びに立ち寄ってください。お待ちしています。

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