「こんなに座りにくいなんて」 特養職員がおむつ体験する研修会

特別養護老人ホームの職員自身がおむつ体験などをするユニークな研修会が8月27日に大阪府八尾市内であった。

おむつを体験する成法苑の職員

特別養護老人ホームの職員自身がおむつ体験などをするユニークな研修会が8月27日に大阪府八尾市内であった。同市の社会福祉法人八尾隣保館(荒井惠一理事長)の「成法苑」と、社会福祉法人寿光会の「寿光園」の合同研修会で、両施設の介護職員や看護師など約30人が参加した。

両施設は場所が近いことから、日常的にショートステイの利用者紹介や情報交換などをしている。合同研修会も不定期で開いており、この日は排せつケアの向上に取り組む成法苑が、寿光園に参加を呼び掛けた。

研修会ではおむつフィッター1級の熊井利將氏が、3人1組になってテープ止め紙おむつの中に2枚の尿取りパッドを入れた状態を体験するよう指示。「500ミリリットルのパッドを2枚使っても1000ミリリットルは吸収できない。パッドの2枚使いなど誤ったインナーの使い方をすると足が広がり、前方にずれる仙骨座りになる」などと注意を促した。

また、尿漏れを防ぐには、パッドを固定する役割のアウターを正しく使うことが重要だと指摘。「立体ギャザーがそけい部に当たるようにし、骨盤を包み込むようにテープを止めることが必要。正しく当てないと不快に感じる」などと語った。

おむつを体験した参加者からは「圧迫されて気持ち悪い」「こんなに座りにくいと思わなかった」などの声が上がり、テープの正しい止め方を確認するなどの姿が見られた。

法人が違う2施設の合同研修会は、各施設のケアのやり方を見直すだけでなく、市全体の排せつケアのレベルを引き上げる良い機会にもなったようだ。

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