テレワーク中の家庭教育がしんどい。「子どもの勉強」はこれからどうするべき?

仕事、家事、子どもの教育と様々な負担が重なるテレワーク。私たち大人はどこまでコミットすればいいのか。5月26日21時生配信のハフライブで「家庭教育のこれから」を考えます
パソコンを使って宿題をしている様子。「新宿区の区立小学校では、オンラインでの授業がほとんど進んでいません。しかし、塾ではオンラインを取り入れているので、その差が学校のあり方を不安にさせます」(小4・5の娘を持つ女性)
パソコンを使って宿題をしている様子。「新宿区の区立小学校では、オンラインでの授業がほとんど進んでいません。しかし、塾ではオンラインを取り入れているので、その差が学校のあり方を不安にさせます」(小4・5の娘を持つ女性)
HUFFPOST JAPAN

「仕事もすすまない。YouTubeの見せっぱなしで罪悪感」「子どもが椅子にも座ってくれない」「IT化が遅れている学校には期待しない」

ハフポスト日本版が、新型コロナによる「一斉休校」に関するアンケートを取ったところ、保護者から悲鳴の声が寄せられた。

「在宅勤務」は仕事を効率的にしたが、自宅でやることも増えた。子どもの勉強を見てみると、いまだに紙のプリントに頼っている。オンライン授業なんて、理想論過ぎて、現実味がまったくない。

コロナが収まったとしても、再び感染がひろがる「第2波」がくるおそれもある。保護者や周りの大人には、何ができるのか。

5月26日(火)21時からハフポストがTwitterで生配信する番組『ハフライブ』では、慣れないことの連続だった「在宅勤務」を振り返り、働く世代に突きつけられた「家庭教育のこれから」について考えます。

▶番組URL
https://twitter.com/i/broadcasts/1OdKrqzewryxX

(5月26日火曜日 21時〜 時間になったら配信が始まります。視聴は無料です)

▶ゲスト

映画「ビリギャル」モデル 小林さやかさん

オンラインツールに詳しい 日本マイクロソフト 山崎善寛さん

本当にしんどい「家庭学習のこれから」を考える
本当にしんどい「家庭学習のこれから」を考える
MAYA NAKATA / HUFFPOST JAPAN

休校が子どもに「悪影響」は42%

ハフポストがアンケートを募ったところ、22日10時半時点で、424件の回答があった。90%が女性。公立小学校に子どもを通わせている人が多かった。

それによると、子どもの学校でオンライン授業を導入していると答えた人はわずか10%。休校が子どもの生活や勉強に「悪い影響を与えた」と答えた人は48%だった。もともとOECD諸国と比べても低い日本のIT利用。ここに来て一気にその「欠点」が浮き彫りになった。

「仕事に集中できず、子どもを怒鳴った」親も

「自宅のテーブルだと集中できないため、気分を変えてルーフバルコニーにテントを広げ、ダンボールを机がわりに学校の課題に取り組んでいます」(小4の息子を持つ女性)
「自宅のテーブルだと集中できないため、気分を変えてルーフバルコニーにテントを広げ、ダンボールを机がわりに学校の課題に取り組んでいます」(小4の息子を持つ女性)
HUFFPOST JAPAN

アンケートには、思いがこもった長文の書き込みが目立つ。

まず小学生を持つ親は「勉強の習慣」をつけるところから始めないといけないのが「ツラ過ぎる」という。

中学校になってくると、さすがに机に向かうことは出来るが、教科が難しすぎて、親の手に負えないそうだ。家にいると子どもも大人もストレスがたまる。「仕事に集中できず、子どもを怒鳴った」という罪悪感を抱く親もいた。

1日中、親も子どもも、気が休まらない。先生たちがオンライン授業に対応できないためか、学校に対する不信感が募っていることが、アンケートの文面からみてとれた。

▶アンケートは引き続き、こちらから募集しています。


元ビリギャル小林さん「日本の教育のツケが回ってきている」

イメージ写真
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MAYA NAKATA / HUFFPOST JAPAN

ハフポストとTwitterの番組「ハフライブ」では、こうした辛い状況を受け止めつつ、私たち大人が出来ることを探りたい。大変だけど、これからは、仕事と家庭学習を両立させることも求められる。

コロナによって、教育には色々問題があることが分かった。先生も悩んでいるかもしれないし、仕事でつちかった私たちのスキルをもっと教育に生かせるかもしれない。

1人目のゲストは映画「ビリギャル」のモデルの小林さやかさん。勉強が嫌いで、高校2年の夏ごろ、偏差値が30弱だった。「人間のクズ」とまで校長に言われた。ある塾講師との出会いを機に、勉強の楽しさに気づき、慶応義塾大学に現役合格した。

いまは大学院で教育学を学びつつ、自身の経験を通して日本の教育を良くしようと活動している。

「今までの日本の教育のツケが回ってきている」と小林さん。「先生たちもオンライン授業で大変だと思う。だからといって教育系YouTuberをまねしても仕方ない。先生も親も、生徒を信じて、どんなことを学びたいのかゼロから話すきっかけにしないとけない」という。

子どもの視点に立ち、教師が何をすれば変わるのか、働く世代が教育にどう向き合えばいいかを語ってくれる予定だ。

中学生の子どもを育てる日本マイクロソフトの本部長も登場

普段学習机として使っているダイニングテーブルは、弟と母親も作業しているので、ちょっとしたことで喧嘩になったりイライラしたり…。家中の花瓶と植木鉢で仕切りを作ってみました。お互いに話しかけたり顔を合わせたりする前に花が目に入ると、一呼吸置けるようになりました。(小4の息子を持つ女性
普段学習机として使っているダイニングテーブルは、弟と母親も作業しているので、ちょっとしたことで喧嘩になったりイライラしたり…。家中の花瓶と植木鉢で仕切りを作ってみました。お互いに話しかけたり顔を合わせたりする前に花が目に入ると、一呼吸置けるようになりました。(小4の息子を持つ女性
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もう1人のゲストは、日本マイクロソフトのMicrosoft 365 ビジネス本部の山崎善寛本部長。同社は、今月からすべての都立学校の生徒や教員に学習支援サービスを提供している。

オンラインツールは教育をどこまで変えるか。山崎さん自身も、中3の公立校に通う子どもと、中1の私立校に通う子どもがいる。仕事部屋と子ども部屋を時にはシェアしながら、仕事と家庭学習の両立に取り組んでいるので、「当事者」としての視点も持っている。

文科省は、全国の小中学校に「1人1台」のパソコンやタブレットを配る「GIGAスクール構想」も進む。オンラインツールをどう使えば良いのかを番組中に聞く。

家庭教育を進めるために必要な5つの変化

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kohei_hara via Getty Images

「家庭」と「仕事」の両立は日本の働き手たちを長年悩ませてきた課題だ。特に男性の働き方を含めて解決されていない問題が多いのに、これからは「子どもの教育」も加わる。

また、そもそも国は教育制度を維持し、教育条件を整備する義務がある。オンライン教育を受けられる環境がない世帯もあり、「家庭におしつける」ことだけはあってはならない。さらに、コロナ禍で学校のような居場所がなくなり、給食がなくなったため、まともにご飯を食べられない児童もいる。

番組ではこうした点も考えながら、私は主に次のポイントについて話したい。

① まずは「長時間労働」。夜遅くまで残業をしていたら、子どもの面倒はみられない。企業の働き方改革はどうしたらいいのか。

② 男性のコミットも大事だ。全国家庭動向調査によると、日本の男性の平均家事時間は1日37分で、263分の女性と比べて圧倒的に少ない。在宅勤務中は1人で部屋にこもって家事も育児もやらない「Zoom貴族」もいる。中学生の子どもを持つ私も含めて男性が変わらないと、家庭学習は、女性などが負担し続けることになる。

③ さらに、学校のオンライン化は早急に進める必要がある。学校現場も「前例」を気にするのではなく、出来るところからやる。保護者も学校の「失敗」を責めない。

④ 学校以外の教育の場をどう考えるか。オンライン動画やアプリや学習塾などもあるが、金銭的な負担は大きい。コロナで経済が悪化するなか、これ以上の教育費を出すのは大変だ。

⑤ 最後に「縦割り」を取っ払って、みんなで話し合う場をつくることだ。地域ごと、学校ごとの良い取り組みがこれまで共有されてこなかった。たとえば、市民グループ「みらい子育て全国ネットワーク(miraco)」は、オンライン学習に関するアンケートをつくり、地域を越えた保護者との連携を始めている。

Yahoo!アカデミア学長の伊藤羊一さんや立教大学教授の中原淳さんが、教育関係者ら3000人近くのFacebookグループをつくってノウハウを共有しあっている。そうした場に子どもたちも巻き込み、「家庭教育」を考えるきっかけにしたい。

(時間になったら配信が始まります。視聴は無料です)

ゲスト:

映画「ビリギャル」モデル 小林さやかさん

日本マイクロソフト 山崎善寛さん

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