御嶽山噴火から6年、被害を減らすために出来ることとは?対処法や予防策まとめ

「登山中に噴火」これがこの災害における被害を物語るポイントです。
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6年前の2014年9月27日午前11時52分頃、長野県と岐阜県の県境にある御嶽山(標高3,067m)が噴火しました。
5年が経った昨年から夏の山頂登山が解禁されており、今夏もコロナ禍で例年と異なるものの立ち入り規制は解除されています。

同様の災害が発生した際に少しでも被害が減らせるよう、今回は過去の災害を振り振り返っていきたいと思います。

この災害を振り返る

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2014年9月27日午前11時52分頃、長野県と岐阜県の県境にある御嶽山(標高3,067m)が噴火。

地下水がマグマに触れ、蒸発した水蒸気が圧縮されたことによる水蒸気爆発型噴火でした。

噴火当時は登山・紅葉シーズンの好天の昼時であったこともあり、多数の犠牲者を出す甚大な災害となりました。

当時、諏訪湖に設置しているウェザーニュースのライブカメラは噴火の様子を捉えていました。

写真の左にある御嶽山の方角から突如として白い噴煙らしき雲が上がり、諏訪湖よりも南側を通過していることがわかります。

気象庁の観測では、噴煙は最大で海抜約8,000m〜約9,000mまで達しました。

当時の降灰の状況

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ウェザーニュースでは降灰の広がりを調査するため、当時、会員の皆様と共に降灰に関する調査を行っています。

それらの報告から、27日13時から夜にかけて御嶽山の東-北東側エリアを中心に降灰し、深夜にかけて降灰エリアは南東側の伊那市から山梨県甲府市に拡大し、さらに28日朝にかけて、山梨県と東京西部でうっすらと降灰していたことがわかりました。

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噴火からだいぶ時間が経ってからも、長野県・山梨県内で車などについた灰で降灰を感じている報告が届きました。

【教訓】登山中の噴火への対処

【登山中に噴火した】

これがこの災害における被害を物語るポイントです。

活火山の多い日本では、気象庁が発表する噴火警戒レベルに基づき、噴火するリスクの大きい山では入山規制が敷かれます。

ただし、御嶽山の場合は、噴火する前兆現象が少なく平常時と同じ状態だったため、警戒されていない中での噴火発生。

なおかつ、当日は土曜日、朝から天気は良好と登山には絶好の条件で、噴火の瞬間は多くの登山客が山頂で昼食をとるべく集まっていました。

登山中の噴火という、予期しない事が起こってしまった以上、今後も火山への登山は心構えが必要です。

登山客への注意点

日本火山学会パンフレットより一部抜粋
日本火山学会パンフレットより一部抜粋
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また、火山に登山される場合は以下の点を注意してください

◆活火山へ登山する際は、事前に「避難小屋」等の場所を確認して下さい。

◆登山中に噴火した場合は逃げることができれば風上側へ。周辺の避難小屋か、岩陰に逃げて下さい。

◆周辺に何もない場合は、出来るだけ身を低くし、頭を抱え、火山灰に巻き込まれる状態となったら、衣類などで鼻や口を覆い、火山灰を吸い込まないようにして下さい。

◆視界がよくなったら、谷地形は火山ガスが溜まりやすいため、谷に留まることは避け、近くの避難小屋など安全な場所へ避難して下さい。

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この記事は2016年9月27日に配信した記事を加筆・修正したものです。
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参考資料など

日本火山学会パンフレット http://www.kazan.or.jp/J/doc/kazan_anzen_low_q.pdf

写真:ウェザーリポート(ウェザーニュースアプリからの投稿)
Gtr-35さん

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