世界で4億人ものユーザーがいるとされるビジネス向けソーシャルネットワーキングサービス「LinkedIn(リンクトイン)」。その偽アカウントを使って、中国がドイツの官僚や政治家たちから大量の情報を集めていると、ドイツの情報機関が指摘した。BBCなどが12月10日報じた。
調査結果を発表したのは、情報機関のドイツ連邦憲法擁護庁。BBCによると、「情報源」として利用された可能性のあるドイツ人は、少なくとも1万人にのぼるという。ハンス・ゲオルク・マーセン擁護庁長官は「中国側の活動がドイツの政治家たちをむしばんでいる」と指摘した。
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擁護庁は、特に活発にドイツ人の政治家や官僚らに接触していたLinkedInの偽のアカウントは8つあったとし、若手医師や経済コンサルタント、シンクタンク職員などを名乗っていたという。いずれも実在しない人物だった、と擁護庁は結論づけた。
ニューヨーク・タイムズによると、こうした疑惑について、中国外務省の陸慷報道官は「根拠のない全くの噂」と否定。その上でドイツ側に対し、「責任のある発言と行動を求める」と牽制した。