不妊治療医が自分の精子を提供者のものとすり替え? オランダで疑惑浮上。200人の子ども生まれた可能性も

裁判所がDNA型鑑定の実施を命じる
裁判所がDNA型鑑定を実施することを決めた後、記者団に喜びを語る不妊治療の元患者やその子ども(奥)=2019年2月13日、オランダ・ロッテルダム
裁判所がDNA型鑑定を実施することを決めた後、記者団に喜びを語る不妊治療の元患者やその子ども(奥)=2019年2月13日、オランダ・ロッテルダム
BAS CZERWINSKI via Getty Images

不妊治療を担当していた男性医師が、ドナーと自分の精子をすり替えて患者側に提供し、そのまま多数の子どもが生まれていた疑惑がオランダで問題になっている。

地元メディアは、「すり替え」によって200人の子どもが生まれた可能性があると報道。医師はすでに死亡しているが、裁判所がDNA型鑑定の決定を下すなど、注目が高まっている。

ガーディアンが2月14日報じた内容によると、医師はヤン・カルバート氏。オランダ南部のバーレンドレヒトの医療施設で不妊治療を担当していた。

カルバート氏は2017年4月、89歳で亡くなったが、その約1カ月後、カルバート氏の治療で出産した22人と、その親11人がDNA型鑑定を求めて裁判所に訴えた。

ところが、カルバート氏の遺族の代理人と務める弁護士が「故人と遺族のプライバシーの尊厳が守られるべき」と鑑定に激しく反発。

裁判所も当初、「(疑惑を裏付ける)十分な証拠がない」として鑑定を認めなかった。一方で、カルバート氏のDNAを収集することは認め、歯ブラシなど計27の私物から採取された。

CNNによると、地元メディアがその後、カルバート氏の息子と、カルバート氏の治療で生まれた47人との間で「生物学的な関係」があると報じた。

その上で、精子のすり替えによって生まれた子どもは200人に上ると指摘した。

裁判所は2月13日、「カルバート氏の治療で生まれた多くの人たちが外見上、彼と似ていることに疑問の余地はない」などとして、鑑定の実施を決めた。

カルバート氏は生前、疑惑について否定していた。

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