新型コロナで亡くなった夫、死ぬ前に残したのは妻への最後のラブレターだった

「あなたと一緒にいられて本当に幸せだった。世界中のどんな金持ちとも交代したくない」。夫は最後まで妻のことを考えていました。

世界中の多くの人たちが、新型コロナウイルスのために愛する人を失っている。

アメリカ・テキサス州エディンバーグに住むソニア・キプロスさんもその1人だ。キプロスさんの最愛の夫ビリー・ロレドさんは新型コロナウイルスに感染した後、12月13日に亡くなった。

11月に新型コロナウイルスに感染してから、妻と再会するために必死に闘っていたロレドさん。

しかし万が一の場合も考えて、「世界で一番愛する人へ」というタイトルの妻へのメッセージも残していた。

ロレドさんの死後、キプロスさんは夫の思いがつづられた手紙を、地元テレビ局WFAAにシェアした。

ロレドからキプロスさんへの手紙

「私は今、生きるために毎日必死に闘っています。それは君がいるから、君にもう一度会いたいからです。君は私の人生で一番大切な人です。毎日、君に会いたいと思っています。

私はいつでも完璧な男性ではないけれど、完璧な男性になるためにベストを尽くしています。

君はいつでも完璧です。私が腹を立てて君は完璧じゃないと言った時でも、あなたは完璧です。

99%の場合、私が間違っていて君が正しい。そのことが私はとても気に入っています。

もし回復したら、夫としてもっと良い男性になると神に誓って約束します。君は最高を受けるに値する人だから。2度目のチャンスをもらえたら、必ずそうします。

もし回復できなかったら、君と一緒にいられて私がとても幸せで素晴らしい人生を送ることができたということを君に知って欲しい。世界中のどんな金持ちとも交代したくありません。

君にも幸せに生きて欲しいと思っています。私がいなくても、後悔のない人生を生きて欲しい。一緒に過ごせた私たちの時間は、とても素晴らしいものでした。

君を心から愛しています。とても会いたい。まだ頑張って病気と闘うから。愛を込めて。ビリー」

キプロスさんは「自分がいなくなっても幸せになって欲しい、と伝えるために手紙を書いたのではないかと思います」とWFAAに話す。

ロレドさんはキプロスさんをいつも気遣ってくれる夫だった。そのため、手紙を残したことは驚きではなかったが、読むのがとてもつらかったという。

「手紙を読んだ時、絶望的な気持ちになりました。なぜなら夫はもう帰ってこない、もう会えないということを認めなければいけないかったから。とても受け入れ難いことでした」と、キプロスさんはCNNにのインタビューで答えている。

キプロスさんによると、ロレドさんが新型コロナウイルスに感染したのは11月中旬。最初の1、2週間は症状が軽かったが、サンクスギビングの早朝に呼吸困難になり、入院した。

「入院中、私は彼のそばにいることも手を握ることもできず、彼は1人で闘い続けなければいけなかった。本当に恐ろしくてつらかった」とキプロスさんは振り返る。

入院中はFaceTimeを使って連絡をとっていたが、症状が悪化したため気管挿管(気管内にチューブを入れて、気道を確保する方法)しなければいけなくなった。

最後のラブレターは気管挿管の数日前に書いたんだろうと思う、とキプロスさんはCNNに話す。

キプロスさんとロレドさんは結婚してから21年をともに過ごしてきた。

ロレドさんが新型コロナウイルスに感染した後、キプロスさんはロレドさんを励まし祈り続けたが、願いは叶わなかった。

ロレドさんは45歳で、健康だった。いつもマスクを着用して新型コロナウイルスに気をつけていたという。

それでも新型コロナウイルスは、キプロスさんから大切な人を奪っていた。

間も無くクリスマスや年末年始。大切な人を守るためにも「できるだけ家で過ごし、集まりを避けてほしい」とキプロスさんは訴えている

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