フォーエヴァースペシャル2015 鉄道車両の引退が相次ぐⅡ

2015年は車両の引退が多い。今回は2つの車両を取り上げる。近江鉄道220形(2015年3月13日で定期運転終了)と北総鉄道7260形(2015年3月22日で引退)。

2015年は車両の引退が多い。今回は2つの車両を取り上げる。

新鎌ヶ谷を発車した北総鉄道7260形(撮影:スマイル隆紀氏)

■近江鉄道220形(2015年3月13日で定期運転終了)

220形の定期運転離脱により、旅客列車はすべて20メートル車2両編成に統一。

220形は近江鉄道初の冷房電車として、1991年9月に改造車として登場した(同社初の冷房車は、1986年3月に登場したLE-10形気動車)。車体は彦根工場で新製、主要機器は改造種車、台車は西武鉄道から譲り受けた空気バネ台車(乗り心地のいい台車)をそれぞれ流用した。ブレーキは電気指令式空気ブレーキを採用し、古い技術と新しい技術が融合する車両となった。

同社は西武鉄道系列の会社なので、車体塗装も西武ライオンズ(現・埼玉西武ライオンズ)のホームゲーム用ユニホーム(当時)をイメージした。後年は一部の車両で、広告のフルラッピングが施されている。

1996年まで6両が改造され、単行ワンマン列車として活躍していたが、老朽化に伴い、2014年3月31日付で2両廃車(構内での貨車、イベント用として解体を免れる)。残る4両が奮闘していたが、2015年3月13日で定期運転を終了した(交友社の『鉄道ニュース』では、「引退」が記載されている)。当日は臨時列車〈220形アンコール号〉を彦根―米原間で1往復運転したあと、彦根で「卒業式」が行なわれた。

■北総鉄道7260形(2015年3月22日で引退)

北総電鉄は7260形引退イベント終了後、京成電鉄に返却した。

7250形(京成電鉄〔以下、京成〕3200形)に代わるリース車両として、京成3300形8両(4両編成×2本)を抜擢。塗装変更などを施したうえで、2006年4月1日に「7260形」として車籍登録された。4両編成を2本つないだ8両編成で運転され、北総線のほか、京成、東京都交通局都営浅草線、京浜急行電鉄にも乗り入れていた。

2015年2月28日に京成3300形が引退。サヨナラ運転となったリバイバル臨時特急〈成田山号〉成田行きで、車掌が「7260形も引退が近い」と示唆した。それから1か月後、7260形の引退が現実となった。

当初、北総鉄道は当選者200名を招き、印旛車両基地の撮影会と体験乗車(印西牧の原―矢切間1往復)を実施する予定だったが、後日、当選者を50名増やし、さらに印西牧の原―上野間1往復の臨時特急運転も追加した(臨時特急は当選者以外でも乗車可)。

臨時特急の復路(印西牧の原行き)では、新鎌ヶ谷―印西牧の原間で乗車証明書の配布、終点到着後37分間の撮影タイムを設けた。北総社員の御厚意で、乗務員室の窓を開けて運転席も撮影できるなど、ファンサービスが大変充実しており、混乱もなかった。

Yahoo!ニュース個人より転載)

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