【セクハラ問題】批判より反省を。

今後は自分が加害者になることがないよう気を引き締めていくことが大切なのだと思う。
辞任を表明し、報道各社の取材に応じる福田淳一財務事務次官=18日午後、財務省
辞任を表明し、報道各社の取材に応じる福田淳一財務事務次官=18日午後、財務省
時事通信社

財務省・福田淳一事務次官が辞任を表明し、被害女性とされる記者の所属先であるテレビ朝日が会見をした。

自分から聞き出したい話があるだろうという関係性を利用して、「胸触っていい?」「腕縛っていい?」といった脂ぎった発言を繰り返したとされる福田次官。これが事実なら、言い逃れのできない愚行だと思う。また、一度は女性記者の訴えを受けながらもその事実を握りつぶしたテレビ朝日のセクハラに対する姿勢も、非難を浴びて然るべきものだろうと思う。

だが。

私自身、福田次官に対して鬼の首を取ったように批判するつもりはない。セクハラに対する社会的機運が高まったのはここ数年で、それ以前は私だって女性に対して失礼な発言をしてしまっていたかもしれないからだ。当時の私はそうした意識に欠けていたと言わざるを得ず、今であればセクハラと捉えられてしまう発言をしていた可能性は否定できない。もしも、これまで私と同席した際に不快な思いをしたという方がいらっしゃれば、この場を借りてお詫びさせていただきたい。

「昔は良かった」「厳しい時代になった」という男性陣の嘆きも理解はできる。だが、それはあくまで男性側の視点で、多くの女性にとっては明らかに「昔は酷かった」「やっと声を上げられる時代になった」となるのだろう。やはり、男性が「あの頃は......」と振り返りたくなる社会のあり方が間違っていたのだろうと思う。

少しでもマシな世の中にしていくために、私のようについスケべ心が顔をのぞかせてしまうタイプの人間は、「福田ガー」「テレ朝ガー」ではなく、まずはこれまでの自分の言動を振り返り、反省すべき点は反省して、せめて今後は自分が加害者になることがないよう気を引き締めていくことが大切なのだと思う。

最後に。

「何でもかんでもセクハラだと言われたら、女性を口説くこともできない」「はっきりとした基準を定めてほしい」と散見されるご意見にマジレスすると、自分自身で相手との距離感を測ることができるようになることが、自身がセクハラ加害者になることを避ける道であり、モテる男となるための道なのではないかなと。よく距離感を間違える男としては、そう思うわけです。

(2018年4月19日OTO ZONEより転載)

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