ガルーダ航空機の可愛い「マスク」。背景にはインドネシアの深刻な感染事情があった

9月24日には新型コロナの死者が1万人を突破。ASEAN加盟国10カ国で最多を更新し続けています。
「水色のマスク」を機種に塗装したエアバス機(ガルーダ航空の公式Twitterより)
「水色のマスク」を機種に塗装したエアバス機(ガルーダ航空の公式Twitterより)
Twitter/IndonesiaGaruda

ガルーダ・インドネシア航空の特別塗装機が、航空ファンの間で話題だ。ジェット旅客機「エアバスA330-900neo」の機種に巨大な水色のマスクの特別塗装をしたのだ。10月8日には日本にも飛来し、Twitter上では「なかなか似合ってる」「水色のマスク可愛い」と評判となっている。

しかし、この可愛い「マスク」。インドネシアで新型コロナ感染が深刻になっていることから付けられたものだった。

■死者1万人を突破。「医療崩壊が迫る」の報道も

インドネシアは新型コロナの感染拡大が深刻で、9月24日には死者数が1万人を突破。ASEAN加盟国10カ国で最多を更新し続けている。ニューズウィーク日本版では「医療崩壊が現実の問題として迫っている」と報じている。

現地紙ジャカルタ・ポストによると、インドネシア保健省は8月25日から30日まで100万枚のマスクを配布したほか、国営企業省は全国に50万枚のマスクを配布するなどマスク普及に努めている。しかし、インドネシアの1日の感染数は、9月以来4000人を超えており、減少する兆候はほとんど見られないという。

こうした事態の中で、国営航空会社であるガルーダ・インドネシア航空が、政府のマスク装着キャンペーンを支援するため、特別な塗装を施すことになったと10月1日に発表した。機体の横にはインドネシア語で「Ayo Pakai Masker」とキャンペーン名が書かれている。SankeiBizによると「さあ、マスクを着けましょう」という意味だという。

マスクを装着したエアバスは計5機。国内便のほか、日本とシンガポール便にも使われている。10月8日は羽田空港にGA874便として飛来した

■羽田空港に到着したマスク姿の特別塗装機の写真と動画

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