アメリカ環境保護庁、実路走行時の排ガス検査を実施へ

VWの不正が発覚してから、他の自動車メーカーによるこのようなソフトウェアの使用は見つかっていない。

米『ニューヨークタイムズ』紙によるとEPA(米国環境保護庁)は、新型車の実路走行時における検査を強化し、フォルクスワーゲン(VW)のディーゼル排出ガス不正問題から掘り起こされた同様の問題防止に努めるという。これによって、現在実施されている屋内での検査方法から脱却することになるだろう。VWがディーゼル車の排出ガス検査をクリアするために不正なソフトウェアを使用していたことが明らかになったのは今年9月のことだ。

EPAは現在、旧型車を対象にしたランダムな路上検査を実施しているが、今後は2015年と2016年モデルの車両を対象にした実路走行時の検査も実施する計画であるという。この検査には、車体の後部に取り付ける特殊な機械が必要だ。これは以前から大型トラックで用いられていた検査方法であり、屋内の検査よりも面倒になる。しかしながら、EPA側はVWの不正問題にならい、この方法が広く使われるべきとの見解を示している。重要なのは、ディーゼル・エンジンが実際に排出している窒素酸化物の正確な数値を測定できるようになることだ。

ヨーロッパ各国の当局も同様に、2017年には実路走行時の検査実施に踏み込む予定である。全ての発端は、VWが世界中で計1,100万台にいわゆる不正ソフトウェアを搭載していたことが発覚したためだ。VWは否定しているものの、EPAは今月の初め、新たにVWとVWグループ傘下のアウディ、ポルシェのディーゼル車約1万台に不正ソフトウェアが搭載されていた可能性について発表している。VWの不正が発覚してから、他の自動車メーカーによるこのようなソフトウェアの使用は見つかっていない。

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