2019年06月24日 10時04分 JST | 更新 2019年06月24日 10時04分 JST

遺伝子データで、新たな価値を生み出せるか。34歳、執行役員の想い。

「遺伝子データバンクとしてはアジア最大。データを活用すれば、新薬の開発スピードを上げることだってできると考えています」

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「生命の歴史が、大きく変わろうとしている」そう語るのは、遺伝子研究・解析の専門会社『ジェネシスヘルスケア』COOの中西佑介さん(34)。「遺伝子は生命の設計図。疾病リスクの予測で言えば、かなり踏み込んだレベルまで解析できるようになりました。そして、その変化を日々最前線で感じています」 彼らが見据える未来とはーー。

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ジェネシスヘルスケアとは?遺伝子検査キット「GeneLife」を提供。自分のルーツや疾病リスクなど体質・身体的特徴を知り、病気の予防、生活習慣の改善などに役立てることができる。シンガポール、台湾にオフィスを構える子会社のGenesis Healthcare Asiaを通じてアジアでも事業展開し、アジアで最大のデータベースを保有。解析実績は71万件(*1)、国内・遺伝子解析の市場において、70%という圧倒的な国内シェアを誇る。そして今、医療費の削減、健康寿命の延伸…社会課題の大きな打ち手として注目が集まっている。(*1)2019年4 月時点

遺伝子解析は、すでに次のステージへ

「遺伝子を通して、自分の体を自分が知れるようにする」

こう語ってくれたのが、『ジェネシスヘルスケア』COOの中西佑介さんだ(34)。

「まずは、遺伝子解析をより身近なものにしていきたい。世界中で200万人、300万人…と遺伝子解析をしてくれる方を増やしていきます」

彼のまなざしは、まっすぐと未来へと向かっていた。

病気になる前に予防する。健康の考え方を根本から変えていく。遺伝子解析キットを提供している『ジェネシスヘルスケア』だが、彼らが見据える事業展開は、その先にある。

「すでに、遺伝子データバンクとしてはアジア最大。データを活用すれば、新薬の開発スピードを上げることだってできると考えています。実際にアメリカでは解析データを活かした創薬開発が進み、パーキンソン病をはじめ、難病の薬がいまにも生まれようとしている。人の歴史の中でもとても大きな節目に立ち会っていると思っています」

解析データを積み重ねることは、競合優位性の面でも大きなアドバンテージに。さらに、今後力を入れていくのがデータを活かしたBtoB向けビジネスだ。

「いかに遺伝子データを活用し、新たな価値を生み出していけるか。ここが特に重要になっていきます」

彼らの取り組み、そして想いに迫る。

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中西 佑介(34)執行役員 COO 経営統括本部長新卒で旭硝子(現AGC)に就職、営業や事業企画なさまざまなポジションを経験する。その後、遺伝子解析事業の可能性に惹かれ、ジェネシスヘルスケアに転職。入社後6ヶ月でCOO、10ヶ月で執行役員に就任。現在、経営計画・事業戦略の策定、アライアンス締結などを担う。

遺伝子データの活用領域を拡大する

ネスレ、キリン、楽天…これは実際に2018年に同社が提携をした企業の一例。あらゆる場所で遺伝子データが注目されつつあることも見て取れる。

「たとえば、いまデータは生活のあらゆる場所でつながっている。出来ることは加速度的に増えているということです」

冷蔵庫やベッド、トイレで生活データを取得し、遺伝子データを紐付ければ、個々に一番いい健康サポートができるかもしれない。

「さらに性格も、遺伝的な要素が多くを占めることがわかっています。個人のパフォーマンスアップやチームビルディングにも理論上転用できるはず。いかに多くの事例をつくっていけるか、今、ものすごく面白いフェーズですね」

ただ、遺伝子データは「究極の個人情報」とも言われ、非常にセンシティブな領域だ。倫理的・法的諸問題もつきまとう。

「厚生労働省、経済産業省などの行政、さらには医療業界や同業他社の企業さまと並走して、ルール作りを慎重に進めている最中です」

決して簡単な挑戦とは言えないはずだ。

「ただ、今、少しずつ確かに社会そのものが変わろうとしているし、マーケットにも求められています。だからこそ、やる意義があるんです」

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研究者向けサービス教育・研究機関の研究者に対して、高品質かつ低価格で、国内での解析を実現する。2018年10月には「Next Generation Sequencingラボ」を東京・恵比寿に開設。最先端の装置を使用した次世代型の解析サービスにより、がんを含む医学研究、集団遺伝学、ゲノム薬理学の研究など多様なニーズに対応する。
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世界最大手メーカーでのキャリアを捨てたワケ

Google、IBM、P&G、 大正製薬、NTT …など名だたる企業の出身者たちで構成される、ジェネシスヘルスケア。

中西さんもその一人といっていいだろう。

新卒で、世界最大手のガラスメーカー「旭硝子(現AGC)」へ。生産管理、海外営業、事業企画…と順風満帆にキャリアを歩んでいたと言ってよい。

そんな中転機となったのが、当時の上司が発した言葉だったという。

「あるとき、“10年後どうなっていたいの?” と投げかけられたんです」

そのとき、明確な回答ができなかったのだという。

「なにも出てこない自分が悔しかった。そこから、自分がなにをやりたいのか、ひたすら考えていきました」

好奇心、そして眠っていた探究心に灯がつく。

「もともと、ひとつのことにのめり込み、没頭して勉強するタイプ。遺伝子解析も純粋な興味の一つで、遺伝子検査キットを試してみたことがありました。研究が進んでいるし、カンタンに検査を受けられる。時代の大きな変化を肌で感じていました」

そして届いた、一通のスカウトメール。ジェネシスヘルスケアから送られたものだった。

「タイミングも良かったし、これは面白そうだと」

もうひとつ、彼が抱いたのは、同社が提供する『GeneLife』の改善点。

「面接では、『GeneLife』における課題を、すべて包み隠さず伝えました。もっと良くできると」

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入社10ヶ月で執行役員に

そして33歳でジェネシスヘルスケアへ。入社から半年でCOO、10ヶ月後には執行役員に任命された。前職と比べて決定的に違う部分がある。

「想像以上に型にはまっていない、未整備な部分もある。だから専門・専門外とか関係ないんですよね」

テレビショッピングへの出演・販売、CM撮影の際は自ら絵コンテを描いたこともあるという。

「見よう見まね、周りに頼りながら何でもやる」

それが中西さんには心地よく、エキサイティングに感じられる環境だという。

「自分の可能性を探る。そのためにはかなり良い環境だと思います。仕事って、楽しんだもの勝ちだと思うんですよね。それでキャパが広がって、できることが広がっていく。自分の仕事が、社会の流れを良い方に変えていくこともできるかもしれない」

そして最後に語ってくれたのが、仕事に対する想い。その目には、事業に対する熱い想いが込もっていた。

「遺伝子は、人それぞれで全く異なるものなので。何が正しい、何が良いみたいな話ではないと思うんです。より多様性を認めて、歓迎する世の中。ビジネスを通じてそういう流れを作っていきたい。ここからが本当の勝負だと思っています」

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