「限りなく透明に近いタコ」貴重な遊泳シーンの撮影に成功(動画・画像集)

生きた姿の映像は限られており、研究者は多くの場合、捕食者の腸内から標本を得るしかなかった。
シュミット海洋研究所が撮影した「限りなく透明に近いタコ」
シュミット海洋研究所が撮影した「限りなく透明に近いタコ」
Schmidt Ocean Institute

「美しい……」「これまで見た中で、一番クールだ」。体のほとんどが透明な珍しいタコの遊泳シーンが、世界の注目を集めている。

アメリカのシュミット海洋研究所の公式Facebookが7月9日、約37秒の動画をアップした。そこには、透明なタコが優雅に泳ぐシーンを捉えられていた。

キリバス共和国にあるフェニックス諸島で実施された、34日間にわたる海洋調査での出来事だった。無人潜水機「SuBastian」が水深651メートルの深海で、この珍しいタコの撮影に成功したという。

透明な体がガラスのように見えることから、このタコは英語で「グラス・オクトパス」と呼ばれている。生物情報データベース「GBIF」によると、和名は「スカシダコ」だ。

■非常に珍しい種類で、生きている姿の映像は限られていた

シュミット海洋研究所が撮影した「限りなく透明に近いタコ」
シュミット海洋研究所が撮影した「限りなく透明に近いタコ」
Schmidt Ocean Institute

スカシダコは、視神経、眼球、消化管を除いてほぼ透明なことで知られている。触手を含めて45cmほどになるという。

生きた姿の映像は限られており、研究者は多くの場合、捕食者の腸内から標本を得るしかなかった。同研究所は「本種に遭遇するのは非常に稀で、最も研究されていない頭足類の1種と考えられる」とFacebookで報告している。

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