500頭のヤギ、レーガン大統領図書館を山火事から救う

レーガン大統領に関わる6000万ページを超える文書、160万枚以上の写真を保管。大統領専用機「エアフォースワン」が展示されています。
10月30日、レーガン大統領図書館近くの牧場から救出されるヤギ (Photo by FREDERIC J. BROWN/AFP via Getty Images)
10月30日、レーガン大統領図書館近くの牧場から救出されるヤギ (Photo by FREDERIC J. BROWN/AFP via Getty Images)
FREDERIC J. BROWN via Getty Images

アメリカ・カリフォルニア州の山火事で貴重な大統領図書館に火の手が迫った。それを救ったのは500頭のヤギだった。

■大統領専用機「エアフォースワン」も展示

アメリカ大使館によると、全米各地に設立された大統領図書館は、各大統領の在職時の記録を保管している。施設は一般公開されており、研究者でなくても資料を閲覧できる。

中でもロサンゼルス近郊のシミバレーにあるロナルド・レーガン大統領図書館には、6000万ページを超える文書、160万枚以上の写真が保管されているほか、在任当時の大統領専用機「エアフォースワン」が展示されていることで人気がある。

10月30日、大統領専用機「エアフォースワン」の展示場所から見える火の手 (Photo by Wally Skalij/Los Angeles Times via Getty Images)
10月30日、大統領専用機「エアフォースワン」の展示場所から見える火の手 (Photo by Wally Skalij/Los Angeles Times via Getty Images)
Wally Skalij via Getty Images

火災の危機が迫ったのは、このレーガン大統領図書館だった。

ロイター通信によると、10月30日に、シミバレー近郊で発生した大規模な山火事は、図書館から50フィート(約15メートル)付近まで迫った。

■図書館周辺の5ヘクタールの敷地に「防火帯」をつくる

しかし、図書館を運営するレーガン財団は、こんなこともあろうかと準備を怠っていなかった。地元企業から500頭のヤギを雇い、図書館周辺の5ヘクタールの敷地で草を食べさせ、空き地の「防火帯」をつくっていたのだ。

10月30日、レーガン大統領図書館に迫った火の手 (KTLA-TV via AP)
10月30日、レーガン大統領図書館に迫った火の手 (KTLA-TV via AP)
ASSOCIATED PRESS

地元テレビ局「NBCロサンゼルス」によると、消防隊や消防ヘリコプターの懸命な消火活動の結果、火は食い止められた。図書館の外壁に焦げ跡はできたが、大きな損傷は報告されなかった。

ロイター通信によると、図書館の広報担当者は「消防士の1人から『防火帯のお陰で仕事が楽になった』と言われた」ことを明かした。その上で、次のように話した。

「草地までは距離がありました。図書館の近くはヤギが全部食べたからです」

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