谷中銀座、高円寺… 中国から「聖地巡礼」のツアーが組まれる理由とは?

日本を訪れる中国人観光客が増加する国慶節の大型連休。20〜30代のトレンドになる可能性を秘めている。

谷中銀座や高円寺...日本に新たな「聖地」が誕生しつつある。

注目しているのは中国人観光客。中国では10月1日の国慶節(建国記念日)を機に大型連休となり、こうした場所に多くの観光客が訪れることが予想される。

谷中銀座商店街に向かって降りる階段「夕焼けだんだん」(2016年)
谷中銀座商店街に向かって降りる階段「夕焼けだんだん」(2016年)
時事通信社

■検索数増、2019年のトレンドに?

流行の最先端、というよりは、渋い魅力を放つ谷中銀座や高円寺。注目を浴びるきっかけになったのは、台湾出身のスター・周杰倫(ジェイ・チョウ)の新曲「说好不哭(泣かないと約束したから)」

若い恋人同士を描いたミュージックビデオが中国大陸を含めた中華圏で大ヒット。ヒロイン役を演じた俳優の三吉彩花さんが一気に知名度をあげたほか、そのロケ地だった東京に注目が集まった。

中国のネットでは、ロケ地の詳細を紹介する記事が相次いで出現。秋の大型連休での旅行先を検討していた中国人の関心を集めた。

現地メディア「東方網」によると、旅行予約サイトではロケ地の東京タワーやスカイツリーなどの検索数が急増し、平常時よりも80%ほど増加したという。

そのほか、ミュージックビデオに登場する谷中銀座や高円寺の商店街、それに老舗のカメラ店などを巡るいわゆる「聖地巡礼」のパッケージツアーも登場している。

東方網では、こうした人たちの1人あたりの消費額は、旅費を含めて30万円を超えると予想している。

国慶節の大型連休は、毎年、日本旅行に訪れる中国人観光客が増加する時期だ。その中でも、新たな「聖地」をめぐる旅行は、ジェイのファン層が多い20〜30代の観光客を中心に新たなトレンドになる可能性を秘めている。

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