「広島の恐怖を常に心に」国連事務総長が広島の平和記念式典で訴えた

国連のグテーレス事務総長も初めて参列。「核兵器保有国が核戦争の可能性を認めることは断じて許容できない」となどと訴えました。
広島市原爆死没者慰霊式であいさつするグテーレス国連事務総長=2022年8月6日午前8時48分、広島市中区、田辺拓也撮影
広島市原爆死没者慰霊式であいさつするグテーレス国連事務総長=2022年8月6日午前8時48分、広島市中区、田辺拓也撮影
朝日新聞社

広島で平和記念式典 初参列の国連事務総長「広島の恐怖を常に心に」

米軍が広島に原爆を投下し、6日で77年になった。広島市中区の平和記念公園では平和記念式典が開かれた。ロシアがウクライナに侵攻し、「核兵器が使われるのでは」との懸念が高まるなか、参列者らは原爆投下時刻の午前8時15分に黙禱(もくとう)を捧げた。

広島市の松井一実(かずみ)市長は平和宣言で「一刻も早く、すべての核のボタンを無用のものにしなくてはならない」と訴えた。「核の脅し」を続けるロシアを念頭に、ロシアの文豪トルストイが残したとされる「他人の不幸の上に自分の幸福を築いてはならない」という言葉も盛り込んだ。

核兵器禁止条約に否定的な日本政府に対しては、来年の第2回締約国会議への参加や、条約への署名・批准を求めた。

岸田文雄首相は昨年10月の首相就任以来、初めて出席した。あいさつでは「核兵器による威嚇が行われ、核兵器の使用すらも現実の問題として顕在化している」と指摘し、「広島の地から、『核兵器使用の惨禍を繰り返してはならない』と世界の人々に訴える」と述べた。核禁条約には触れなかった。

国連のグテーレス事務総長も初めて参列した。あいさつでは「核兵器保有国が核戦争の可能性を認めることは断じて許容できない」とし、「広島の恐怖を常に心に留め、核の脅威に対する唯一の解決策は核兵器を一切持たないことだと認識しなければならない」と述べた。

被爆者の高齢化は進んでいる。厚生労働省によると、今年3月現在、平均年齢は84歳を超えた。(福冨旅史)

(朝日新聞デジタル 2022年08月06日 09時58分)

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