日本のチーム「HAKUTO(ハクト)」も参加している世界初の月面探査レースは、どのチームも月面に到達できないまま期限切れで終了することになった。
主催するGoogle Lunar XPRIZE財団の公式サイトが、以下のように発表した。
最終選考に残った5チームから、数カ月間にわたって綿密に聞き取りをした結果、期限である2018年3月31日までに月に到達できるチームはない、という結論に至りました。
「月へのロケット打ち上げ」は、その言葉どおり難しいもので、今頃には勝者が判明していると考えていましたが、資金調達、技術、規制の困難さなどから、Google Lunar XPRIZEの賞金3000万ドルは誰の手にも渡らないことになります。
世界初の月面探査レースは、アメリカのGoogle社がスポンサーとなって2007年に始まった。月面で探査車を走行させて、映像を最も早く地球に届けた民間チームが、優勝賞金を受け取ることになっていた。
財団は、レースを通じて民間でも月に到達できると考えられるようになったほか、宇宙関連の企業が設立されて多くの雇用が生まれたなどと成果を強調している。
■HAKUTOとは?
探査ロボット「SORATO」の実物大模型を紹介する秋元衆平さん
朝日新聞デジタルによると、日本チーム「HAKUTO」は、クラウドファンディングや企業からの支援などで約11億円を集め、探査車を開発。インドのチームの着陸機に相乗りして、インド宇宙研究機関(ISRO)のロケットで2018年初めに打ち上げる計画だった。
しかし、インドチームとISROの間で、打ち上げをめぐる交渉が難航し、3月末までの打ち上げが困難になったという。
HAKUTOはレース期限に間に合わなくても、引き続き打ち上げを目指し、Google Lunar XPRIZE財団には、期限の延長を求めていた。
同財団は期限延長はしなかったが、今後は新しいタイトルスポンサー見つけたり、賞金のないコンテストとして継続したりするなどの方法を模索するとしている。