“神風ドローン”が自爆攻撃。アゼルバイジャンがアルメニア側に使用

イスラエル製の「ハロップ」を使用。このタイプは、旧日本軍の神風特攻隊からの連想で「神風ドローン」とも呼ばれています。
2013年のパリ航空ショーで展示された自爆ドローン「ハロップ」
2013年のパリ航空ショーで展示された自爆ドローン「ハロップ」
ASSOCIATED PRESS

戦場を飛び回るドローンが自爆攻撃する恐ろしい光景が、西アジアで繰り広げられている。

■「非常に効果的」とアゼルバイジャン高官

目標を探知して自爆攻撃を仕掛ける「神風ドローン」が、9月末からアゼルバイジャンとアルメニア人勢力の間で再燃したナゴルノ・カラバフ紛争で使用されていることが明らかになった。ナゴルノ・カラバフとその周辺は、国際的にはアゼルバイジャン領となっているが、1994年以降はアルメニアが支援するアルメニア人勢力が占領している。

アゼルバイジャンの大統領顧問であるヒクメト・ハジエフ氏は9月30日に掲載されたAXIOSの記事の中で、イスラエル製のドローン「ハロップ」が過去数日間の戦闘で「非常に効果的であることが証明された」と述べた。「アルメニアがアゼルバイジャンが使用しているドローンを恐れているなら、その占領をやめるべきだ」と話したという。

■イスラエル製の自爆ドローン「ハロップ」とは?

2015年のパリ航空ショーで展示された自爆ドローン「ハロップ」
2015年のパリ航空ショーで展示された自爆ドローン「ハロップ」
ERIC PIERMONT via Getty Images

航空技術のニュースサイト「Airforce Technology」によると、ハロップはイスラエルのイスラエル航空宇宙産業(IAI)が開発したドローン。2009年のインド航空ショーで発表された。

レーダーで検出されるのを避けるため全長2.5m、翼の幅は3mほどと小さく、高いステルス性を備えている。23kgの爆薬を積んでおり、自動的に空を飛び回り、ターゲットが発する電波を感知すると、突入して自爆するシステムを備えている。

味方が巻き添えになることを防ぐために、手動で攻撃を中止する機能も備え絵いる。ハロップの航続距離は1000kmに及び、最大6時間も空中を飛び回れるという。

このタイプのドローンは「自爆ドローン」のほか、旧日本軍の神風特攻隊からの連想で「神風ドローン」とも呼ばれている。アゼルバイジャンは2016年4月の軍事衝突時にもアルメニア側の軍用輸送車に対してハロップを使用。7人の兵士を殺害していた。

■自爆ドローン「ハロップ」の動画

注目記事