【SDGs就活】「コロナ禍で、あなたの当たり前は変わりましたか?」学生の企業選びにも、新たな視点

就職ウォーカー2022presents「 SDGs企業研究セミナー」が開催され、200人の学生が集まりました。

毎年、国連総会が開催される9月末の1週間は「SDGs週間」。今年は9月22〜28日です。持続可能な開発目標(SDGs)の推進と達成に向けて、改めて意識を高め、アクションを起こすきっかけを作ることを目指して設けられました。

SDGs週間を前に、今回は「就職活動とSDGs」についてお伝えします。学生の企業選びにおいて「SDGs」が重視される背景とは?

2020年7月24日に開催された『就職ウォーカーpresents SDGs企業研究セミナー』の様子。新型コロナウイルス感染防止対策が万全にとられた会場に200名の学生が集まりました
2020年7月24日に開催された『就職ウォーカーpresents SDGs企業研究セミナー』の様子。新型コロナウイルス感染防止対策が万全にとられた会場に200名の学生が集まりました
HAPPY WOMAN

2020年7月24日、東京・新宿にて『就職ウォーカーpresents SDGs企業研究セミナー』が開催され、約200名の学生が集まりました。

SDGs(持続可能な開発目標)とは、2030年までに持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。このSDGsは、国だけでなく、民間企業による取り組みも求められており、事業そのものにSDGsの考え方を組み込むことを前提にされています。企業が事業で収益をあげると共に、社会や地球環境の改善につながるようなビジネスモデルが求められています。

このSDGsに積極的に取り組んでいる企業を研究できる新しい就職活動セミナー『就職ウォーカーpresents SDGs企業研究セミナー』をHAPPY WOMANもサポートし、大盛況のうちに終了しました。

学生の企業選びに、なぜSDGsなのか

同イベントのプロデュースをさせていただいたHAPPY WOMAN代表・小川孔一の挨拶から、ガイダンス講演 『学生の企業選びになぜSDGsなのか』がスタート。

HAPPY WOMAN代表 小川 孔一
HAPPY WOMAN代表 小川 孔一
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講演のトップバッターは、外務省でSDGs推進・広報に尽力する春⽥博⼰さんによる「SDGsの基礎知識」。

「SDGsを知っていますか?」という質問に対し、学生の大半が手を挙げた姿を見て、数年前と比べてSDGsの認知度がかなり高くなっていることを実感し、春田さんは喜びと驚きを感じたと話します。

外務省 国際協⼒局地球規模課題総括課 課⻑補佐 春⽥博⼰氏
外務省 国際協⼒局地球規模課題総括課 課⻑補佐 春⽥博⼰氏
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地球の未来に対する危機感を全世界が共有したこのSDGsに対して、日本政府として具体的にどのような取り組みをおこなっているのか、詳細な説明がありました。また、質疑応答では多くの手が挙がり、学生たちの関心度の高さが伝わりました。

「人間の安全保障」という概念を世界に向け提唱してきた日本の考え方。これが、より分かりやすい形で「誰一人取り残さない」という言葉でSDGsに反映されたことによって、日本としてしっかりと牽引していく責務があると語った春田氏。学生たちも大きくうなずいている姿が見られ、ビジネス界においてSDGsに繋がる取り組みを期待したいとのメッセージで締めくくられました。

SDGsとは〜SDGsの基礎知識〜

前半の春田氏のSDGsの基礎的な話からバトンを受け取り、後半は企業とSDGsについて、三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社の吉高まりさんにご登壇いただきました。

三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 経営企画部 副部⻑ プリンシパル・サステナビリティ・ストラテジスト 吉⾼まりさん
三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社 経営企画部 副部⻑ プリンシパル・サステナビリティ・ストラテジスト 吉⾼まりさん
HAPPY WOMAN

このコロナ禍において企業が財務指標や業績予測を出せない中、ますます注目されているESG投資について解説。また、学生が企業を選ぶ際の重要なポイントとして、その企業が未来へのビジネスストーリーについて何を語っているのか、世界のトレンドを理解している経営者かどうか。社長が発信しているメッセージをきちんと見極め、自分自身も投資家と同じ目線で企業を見ていくことが重要だと語りました。

今後、社会に不安課題があったとしても、それを将来へのビジネスチャンスと捉え、予測不能な変化に対する柔軟性を持ったイノベーションを起こせる人材が求められていくようになるとのこと。

SDGsの取り組みが難しいと思われている中小企業においても、今後は世の中のニーズにSDGs視点を取り入れ、ビジネスに繋げることが重要になり、企業の規模にかかわらず経済全体でSDGsを推進していく必要性について語っていただきました。

新型コロナで変化したコミュニケーション

「誰も予想しなかった今回のコロナ禍で、あなたの当たり前は変わりましたか?」この質問からスタートしたユニリーバ・ジャパン・ホールディングス島田由香さんによる企業特別講演。「具体的にどんなことが変わった?」「変わったことを具体的に教えて」と、島田さんは参加者とコミュニケーションを取りながら進行していきます。

ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長 島田由香さん
ユニリーバ・ジャパン・ホールディングス株式会社 取締役 人事総務本部長 島田由香さん
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島田さんはコロナ禍で人との繋がりの大切さ、直接人と会うことの価値を改めて見直したそう。人と会うことが大好きで、それができない状況を不安に思うこともあったが、この状況を少しでも快適で楽しいものにすることを考えていたと話します。

今年からユニリーバが実施した、履歴書から性別、写真、ファーストネームの記載を排除した取り組み。情熱と能力の高い人材を求めているため、性別情報は不要と判断した経緯をはじめ、生まれてきた意味や感謝することの大切さを語りました。

「命を使う」──自分の使命は、一体何なのか? 生きていく中で時間的に大きな比重を占める仕事について、最も自分が興味を持つことができる得意なことをすべきであり、自分の強みや生きる目的、使命を見つけて欲しいという、熱いメッセージを伝えました。

SDGsをテーマにした新しいスタイルの就活セミナーでしたが、講演を真剣なまなざしで傾聴する学生たちの姿と意識の高さが印象に残るイベントとなりました。

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(2020829日のHAPPY WOMAN ONLINE掲載記事「【SDGs就活】就職ウォーカー2022presents SDGs企業研究セミナー開催レポート」を再編集して転載しました。)

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