キティちゃんの誕生秘話。1975年のデビュー当時は名無しの「ねこ」だった

11月1日はハローキティの誕生日。第1号商品として知られるプチパース(ミニ財布)には、キティの文字がなかったって知ってました?
後に「ハローキティ」と名付けられるキャラクターが初登場した1975年のプチパース(2018年のサンリオのプレスリリースより)
後に「ハローキティ」と名付けられるキャラクターが初登場した1975年のプチパース(2018年のサンリオのプレスリリースより)
サンリオ

在宅ワークでパソコンに向かっていると、背後から声がしました。「キティちゃんのおうち、見せて!」。声の主は、保育園から帰ってきた2歳の娘です。最近、僕の膝に座ってハローキティのおもちゃの画像を見るのが日課になってしまい、仕事中でもお構いなしに椅子によじのぼって、おねだりしてきます。

我が家に限らず、令和に入っても老若男女を魅了する「キティちゃん」。その誕生は1974年。商品デビューは翌1975年までさかのぼります。デビュー当初は名前がなく、サンリオ社内でも単なる「ねこ」と呼ばれていたそうです。キティちゃんの誕生秘話を「ハローキティの誕生日」とされている11月1日を機に振り返りましょう。

■第1号商品には「Hello!」のメッセージだけ。サンリオ社内では「ねこのプチパース」と呼ばれていた

第1号商品は、サンリオが1975年に発売した小さな財布「プチパース」の絵柄でした。サンリオの2018年のプレスリリースによると、発売当時の価格は220円。

ビニール製の透明ながま口に、青いロンパースを着た白い猫のキャラクターがちょこんと座っているイラストがありました。「Hello!」のメッセージと製造元のクレジットは入ってますが、キティの文字はどこにもありません。それもそのはず、デビュー当時、キティちゃんには名前が付いていなかったのです。

このグッズを指して、サンリオ社内では「ねこのプチパース」と呼ばれていたそうです。

■在庫がなくなるほどの人気で、シリーズ商品化。キティの由来は『鏡の国のアリス』から

数あるプチパースの絵柄の一つに過ぎなかったのが、サンリオの在庫が全てなくなるほどの爆発的なヒットとなり、「ハローキティ」と名付けられてシリーズ商品となったそうです。GetNaviのサンリオ担当者へのインタビュー記事によると、ルイス・キャロルの小説『鏡の国のアリス』に登場するネコの名前「キティ」に「ハロー」をつけたとのこと。

デアゴスティーニ・ジャパンの『HELLO KITTY なつかしのアイテムコレクション 創刊号』には、このプチパースの復刻版が付録についていました。冊子の中で、オリジナルのプチパースについて以下のように書かれています。

<プチパースのデザインとして誕生したハローキティ。このときは名前もなく、サンリオの社内ではただの「ねこのプチパース」と呼ばれていたのです>

<他のキャラクターのプチパースはサンリオからいくつも販売されていましたが、特にこのキャラクターが描かれたプチパースは飛び抜けて人気がありました。すぐさまこのキャラクターのアイテムシリーズが企画され、そして「ハローキティ」という名前がつけられることになったのです。サンリオ内の在庫がすべてなくなってしまうほどの人気を博し、ハローキティのデビューアイテムであるのと同時に、代表的なアイテムの一つになりました>

注目記事