
歌手の宇多田ヒカルさんの新曲「Mine or Yours」が5月2日に配信開始になった。この曲は3月に放送が始まった「綾鷹」CMに起用され、話題になっていた。
日本語で「私かあなたか」という意味を持つタイトルの同曲では、大切な相手との違いやそれぞれのアイデンティティを尊重しながら、ともに生きる日常が歌われている。
その歌詞の中には「令和何年になったらこの国で 夫婦別姓OKされるんだろう」というフレーズも含まれている。
この歌詞について、「宇多田ヒカルが、選択的夫婦別姓の応援ソング」「まさか夫婦別姓についての話が出ると思わなかったからビックリ」「はやく選択的夫婦別姓導入されてほしい」といった声がソーシャルメディアに投稿されている。
結婚する時に名字を選べない国、日本
日本では、日本人同士が結婚する時には、妻か夫どちらかの名字に統一しなければいけない。結婚時に同姓か別姓かを選べない「夫婦同姓制度」は日本だけだ。
結婚前の名字を変えたくないと望みながらも変更せざるをえない人は、名義変更手続きの負担だけではなく、アイデンティティ喪失など様々な不利益を被っている。
また、結婚して名字を変えるのは女性が95%と圧倒的に多く、変更による不利益は女性に偏っているのが現状だ。
法務省の法制審議会が、民法を改正して選択的夫婦別姓を導入するよう答申したのは1996年で、選択的夫婦別姓を求める議論は何十年も続いている
令和7年になっても実現していない中「令和何年になったら」という宇多田さんの歌詞には、共感や「ありがとう」といった感謝の言葉も寄せられている。
宇多田さんは歌詞を書くことについて、Apple Musicの番組「The Zane Lowe Show」で、「自分が『これだ!』って思えるまでやらないとその曲は完成しない。なぜならそれが誰かの時間や関心に値するものを作る唯一の方法だからです」と語っている。
