特集
2019年06月17日 07時00分 JST | 更新 2019年06月17日 17時57分 JST

「野菜は、皮ごと食べちゃうの。美味しいわよ!」 平野レミさんに聞く、環境に優しい料理

平野レミさんは、平等で差別のない社会への思いも聞かせてくれました。「楽しい人生をみんな送りましょうよ!」。お話には、ポジティブなパワーがあふれています。

ERIKO KAJI
平野レミさん

最近ニュースで耳にする「SDGs」。

SDGsとは、国連サミットで採択された国際目標で、2030年に向けて「誰一人取り残さない、 持続可能で多様性と包摂性のある社会」の実現を目指しています。

…と聞いても、ちょっと難しそう。自分に何ができるだろう…。

そこで、料理愛好家の平野レミさんに、家庭でできる環境に優しい料理について聞きに行きました。

レミさんのお話から「海洋資源」「陸上資源」を守り、「持続可能な消費」につながるヒントが見えてきました。

そして、「平等で差別のない社会」へのレミさんの思いも聞きました。

 

■野菜は「丸ごと食べちゃう」

ーーまだ食べられる食品が捨てられてしまう「フードロス」が問題になっています。SDGsでも「持続可能な生産と消費」について提言しています。食品を無駄なく使うコツを教えてください。

いっぱいあるわよ! 私がいつも作っているのは、野菜の皮を使った料理。

まずは「大根の皮ったペペロンチーノ」。大根の皮をピーラーでぴーっと取っちゃって、それを茹でて、オリーブオイルで炒めて食べちゃうの。 美味しいわよ!

ジャガイモの皮をピザチーズと一緒に焼く「ポテトの皮ったおつまみ」も、カリカリですごく美味しいのよね。

ーージャガイモの皮って食べられるんですか!

すごーく食べられる。土だけきちっと落としてね。

にんじんも丸ごと食べちゃう。皮をむかないで、そのまま蒸し煮にするの。にんじん本来の甘さで本当に美味しくて、柔らかくて、びっくりしちゃうわよ。にんじんが主役になっちゃうんだから。

野菜だけじゃなくて、魚を丸ごと食べちゃうのもあるわよ。残った頭や骨をカリカリに焼いちゃって、フードプロセッサーとかでバッーっと細かくして、白ごまとか塩を入れてふりかけにしちゃうの。

ERIKO KAJI
平野レミさん

 ーー食材を使い切りたいと思っても、食べきれないこともあります…。

私はいっぱい冷凍しているの。いっぱい作って、小分けにして冷凍すると、フードロスを減らせるのよね。

玉ねぎやジャガイモが旬で安い時に大量に買ってきて、炒めて牛乳と一緒にミキサーにかけるとポタージュの素ができるの。それを冷凍しておくと便利よ。

旬のものってパワーがあるわよ!

ーー旬のものを食べるように意識すると、地産地消につながり、輸送に伴う環境負荷が少ない食材を選べそうですね。

「フード・マイレージ」のことね。私は旅行に行くと、必ずスーパーに行って、特産品とかを見るの。

地鶏が美味しいところに旅行した時にね、地鶏が並んでいる端っこに安い鶏肉が売っていたの。南米のエクアドル産と書いてあった。地球の裏側よ。

スーパーでお買い物する時、「1円でも安い物を」と思って、海外産を買ったりするじゃない。でも、できたら「地のもの」を選んで欲しい。

子どもや自分の将来の体のことや、世界のことを考えて行動しないと。消費者が賢くならないといけないわよね。

ーー考えることが大事なんですね。

考えることってとっても大事。料理だけじゃなくてね、ニュースを見たり、教養も身につけて、色んなことを吸収していかないといけないのよね。

自分で理解して、判断して、批判する時はちゃんと批判できる人間にならないと。何事も、人任せだったらよくないと思うのよ。

ERIKO KAJI
平野レミさん

 ■父の言葉 「意地悪だけはしたらいけない」

ーーSDGsは「誰一人取り残さない社会」を掲げています。レミさんが「こんな社会になったらいいな」と考えていることはありますか。

いま、日本の中でも格差がすごいじゃない。みんなが平等になればと思うんだけどね、なんとかできないのかしらね。それから、差別なんかも絶対だめだめ

ーーお父様でフランス文学者の平野威馬雄(いまお)さんは、日本人の母と米国人の父の間に生まれ、戦前・戦中に差別された経験から、日本で暮らす多様な背景を持つ子どもたちへの差別を無くす活動に取り組まれたんですよね。

父の活動を見てきているからね。父の影響はもちろんありますね。父からは「意地悪だけはしたらいけない」と言われてました。自由で、優しい人でした。

それから、うちの父はいっぱい友達がいて、話題が豊富でしたね。社会、政治、音楽、詩や俳句の話…1日があっという間に経っちゃう。お金は二の次で「心」を大事にしていましたね。

ERIKO KAJI
平野レミさん

 ■「男性も家事・育児をするのが絶対大事よ」

ーー家庭の中で、料理などの家事負担が女性にかたよっている傾向はまだあります。SDGsは「ジェンダー平等」も掲げています。

女性は子どもを産んで育てるじゃない。その最中は、どうしても社会や仕事と距離ができちゃうのよね。その間に、男性がどんどん先に進んで行く。そういうことと、政治家に男性が多いことも関係があるんじゃないかしら。

だからね、男性も女性と平等に家事・育児をするのが絶対大事よ。そこも平等になるといいわよね。

小さい時から、男の子にも料理を教えるのは大切な事。だいぶ変わってきてはいるけど、「男はこうあるべき」「女はこうあるべき」という考えから変えていかないといけないわよね。

■「楽しい人生をみんな送りましょうよ!」

ーー今日のインタビューで、レミさんのパワーをいただいて元気が出ました。若い世代にメッセージをもらえませんか。

自分の好きなことを見つけて、一生懸命生き生きとやることよね。好きなことに向かって邁進していると、元気になる。それからね、自立することも大切。

そうやって生きていれば、周りを妬んだり、悪口を言ったりする暇もないし。楽しい人生をみんな送りましょうよ!

ERIKO KAJI
平野レミさん

平野レミ 
料理愛好家。元シャンソン歌手。“シェフ料理”ではなく“シュフ料理”をモットーに、テレビ、雑誌でアイデア料理を発信している。講演会やエッセイを通じて、「明るく元気なライフスタイル」を提案している。特産物を使った料理で全国の町おこしにも参加。著書は50冊以上。

 

■取材を終えて…作ってみた!

私は、日々の生活に追われていると、考えることを避けてしまいがちなところがあります。

しかし、レミさんと話していると、自立し楽しく生きればこそ、周りや環境にも目を向ける「余裕」を持つことができるのだと感じました。

もう少し気負わずに生きてみよう。そんな気持ちになりました。

早速、野菜の「皮」を食べてみたくなり、葉っぱ付きの大根を購入し、「大根の皮ったペペロンチーノ」を作ってみました。

いつもは捨てている皮を調理するということ自体にワクワクします。

出来上がった料理は、歯ごたえが楽しくて、思っていた以上にお腹も満たされました。ズボラな私には、生ゴミ処理の手間が減るのも嬉しい…。

大根の「中身」はぬか漬けと味噌汁にして、丸ごと食べちゃいました! 

HUFFPOST JAPAN/AKIKO MINATO
「大根の皮ったペペロンチーノ」を作ってみました

健康な地球で、みんなが平等に平和に生きる。

2030年に、それを実現するための目標がSDGs(持続可能な開発目標)です。
ハフポスト「はじめてのSDGs 」では、日本をはじめ世界中の問題や取り組みを紹介。

私たちに何ができるんだろう... みんなで一緒に考えてみませんか?