消費税増税で"負の連鎖"が始まる ひろゆきが語る「日本はオワコン」な理由

消費税の増税や東京オリンピック後の経済停滞で、若者たちの暴動が起こると予測するひろゆきさん。厳しい未来予測について聞いた。

ひろゆきさんが著書「このままだと日本に未来はないよね。ひろゆき流 時代を先読みする思考法」(洋泉社)が説くのは「オワコンの日本で幸せに生きるために」。

消費税の増税や東京オリンピック後の経済停滞で、若者たちの暴動が起こると予測するひろゆきさん。著書ではこのように厳しい未来予測をしている。

時代や技術の変化に追いつくためには、「人材」と「お金」が必要なんですが今の日本にはどちらもそろっていません。10年後の日本は、まず経済が悪くなって、教育にコストもかけられなくなり、人の考えなどもすさんで、治安も悪くなるという厳しい状況が待ち受けているでしょう。

ひろゆきさんほど辛辣でなくても、未来に希望を持てない人は多いのではないだろうか。そんな「オワコン」日本で私たちはどう生きればいいのか?話を聞いた。

TOMOYUKI SUGAI

「若者は近い将来暴動を起こす」

ーー「日本でも若者が近い将来、暴動を起こす」という未来予測をされています。

割と可能性があるって思ってますよね。去年、ハロウィンで渋谷で軽自動車を引っくり返した騒動がありましたよね。今後もし、騒動に乗じて、例えばショーウィンドウを割って宝石を盗んだヤツが捕まりませんでしたっていうことが起こると、それが習慣化して暴動につながっていきますよ。その布石のようなものは既に起こりましたから、あとは時間の問題ですね。

ーーそうですか…。日本はこのまま終わってしまうのでしょうか?

終わると言っても、別に絶滅ではないので。でも日本に限らず先進国はだいたいそんな感じですよね。アメリカでもトランプ大統領が突然出てきて、通常ではありえない政策を通してしまう。

ーーそんな八方塞がりの状態を避けていく方法ってないんでしょうか?

歴史上、大きく時代が変わる時って、戦争や病気ですごく人が死んだ時。そうすれば社会システムは多少変わります。「戦後の焼け野原から立ち上がろう」みたいに。

でも、緩やかに、そんなには儲からないけどダラダラ生きていくっていう国には日本はなれると思うので、そちらでいいんじゃないかなっていう気がします。日本人がそれを許容できるのであれば。

「昔は、割と大国だったよね」って言われるハンガリーみたいな、ああいう感じになっていくんじゃないですかね。

ーーひろゆきさんは今フランス在住ですが、もう一度日本に住みたいと思いますか?

別に全然住んでもいいですよ。

ーー「住んでも良い」というのは、何か留保がありそうです。

僕20年くらい日本には住んだので、あんまりおもしろくないんですよね。起こる出来事が想像通りだし。他の国って予想できないことが起こるのでちょっと面白いんですよね。そういう面白さを捨ててまで日本にいる必要があるの?って言われると、という感じです。

――じゃあ日本「オワコン」というのは別の話なんですね。

オワコン化したほうが社会がどんどん変わっていくので、僕的には面白いと思う。

ーーカオスになったほうがいいと。そうは言っても大半の日本人が日本に住み続けますよね?

そうでしょうか?

ブラジルに日本人が移民したのはたった何十年か前。東北の人が冬の間は東京に出稼ぎに行ったりしていたのもほんの少し前の話です。出稼ぎが国際化するのは時間の問題だと思いますね。フィリピンの人がシンガポールで働くみたいな、貧しい国が他の国で稼いでいくのは国際的には当たり前なので、日本もそのグループに入るのかなという気がします。

日本人も、給料が安いので他の国で稼いだ方がいいよねってなると、みんなそっちに行く。飛行機とかの移動も世界的にどんどん安くなっているので。

TOMOYUKI SUGAI

「オワコン」日本で、個人としてどう幸せに生きるのか?

ーー全体としては沈んでいく。その中で個人の幸せというのは維持できるものなのでしょうか?

誰ひとり残らないっていう話じゃなくて、お金を稼ぎたいと思ったらできる状況であるのは変わらないと思うんですよね。ただちょっと競争が激しくなるだけで。

今だと、ネットでオンラインの大学や資格の授業がタダで受けられたりするので、能力を上げたい人にとってはそんなに困らない時代じゃないかなと思うんですよね。パソコンも安くなったし、スマホだけでもある程度の情報収集はできるので。そういう意味では個人が幸せにはなりやすくなってる気はしますけどね。

ーーただ、その環境で頑張れる人と頑張れない人の格差が広がっていく問題は残りますね。

でも、日本人って他の国に比べて放っておいても何かする人のほうが多いと思う。「暇だから掃除をしてみました」とか。料理をする人の数は外国より圧倒的に多いんですよね。料理ってクリエイティブじゃないですか。そういうレベルが他の国に比べて結構高いんじゃないでしょうか。

ーーそれじゃあ、日本の未来は割と明るいと言えませんか?

いや、スマホで勉強できる環境が整ったという話は世界中一緒なので。それに加えて、人より努力してクリエイティブな部分をどうお金に変えていくかということをしていかないと。

でないと結局、単にきれい好きで貧乏な人がいっぱいいるだけの国になってしまう。

ーーそれをお金にするのは難しいでしょうか。

本来は難しくはないんですけど、問題はどういう形で社会に「みんながこうやって稼いた方がいいよね」っていうことを植え付けられるかだと思います。

例えば、それなりに賢くて大学に行ったような子が、親とかおじいちゃんおばあちゃんが勧めてくる昔の大企業みたいな会社に行かされたりする。親世代は外資系の会社を知らなかったりするので。

そういう価値観をどんどんなくしていくことが必要になってくるんじゃないでしょうかね?

ーーなるほど、個人としてはどうするのが幸せに暮らせるんでしょうか。

お金を使わないで、楽しい生活をすることを身につけた方がいいんじゃないかな。

これからは稼ぎづらくなる。昇給もないし、給料の高い仕事をやるのも難しい。だから、気晴らしだったり趣味だったりお金をかけないで楽しむっていう術を手に入れた方が人生は楽になるんじゃないかなと思います。

――それだと、日本の「オワコン」化はますます進むような…。

個人ができることって言うと仕方ないですよね。要は日本の政治システムを変えられないのって日本の問題じゃなくて、資本主義自体が内包してるシステムなので、日本の問題ではなくしょうがないよねっていう話だと思います。

TOMOYUKI SUGAI
洋泉社

ひろゆき(西村博之)さん プロフィール

1976年、神奈川県生まれ。1999年にインターネットの匿名掲示板「2ちゃんねる」を開設し、管理人になる。東京プラス株式会社の代表取締役、有限会社未来検索ブラジルの取締役など多くの企業に携わり、企画立案やサービス運営、プログラマーとしても活躍する。2005年に株式会社ニワンゴの取締役管理人に就任。2006年、「ニコニコ動画」を開始。2009年に「2ちゃんねる」の譲渡を発表。2015年に英語圏最大の匿名掲示板「4chan」の管理人に。主な著書に『論破力』(朝日新書)、『働き方 完全無双』『無敵の思想』(ともに大和書房)、『ホリエモン×ひろゆき やっぱりヘンだよね』(堀江貴文との共著、集英社)がある。

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