井上和香さん、入院希望を聞かれて迷ったことを明かす。「私が入ってベッドを埋めるわけにもいかない」【新型コロナ】

新型コロナに感染して自宅療養をしていた井上さん。発症から5日後に症状悪化。「入院を希望されますか?」と聞かれるが……
井上和香さん(2013年撮影)
井上和香さん(2013年撮影)
時事通信社

新型コロナから回復した俳優の井上和香さんが1月27日、テレビ朝日系の「羽鳥慎一モーニングショー」に出演した。

自宅療養中に息苦しさがひどくなり、保健所から『入院を希望されますか?』と聞かれたが、軽症に当たるため「私が入ってベッドを埋めるわけにもいかない」と迷った結果、入院しなかったことを明かした。

「保健所さんも強制的に指示はできない。私の方も『入院させてくれ』とも言えない。そのはがゆさがすごくて」と振り返った。

■感染予防は「徹底してやったつもりだった」

井上さんが、最初に異変を感じたのは12月27日夜のことだった。公式ブログによると、突然の寒気に襲われ、市販の風邪薬を飲んだが、その4時間後には40度近くの高熱が出た。「嘘のような震え方をするくらいの悪寒」がした上に、全身が痛くて朝まで眠れなかったという。

翌朝、かかりつけの病院の発熱外来に連絡して、すぐに新型コロナのPCR検査を受診。翌日に陽性が判明した。保健所からは「軽症」に当たるため、ホテル療養か自宅療養を選択するように言われたが、5歳の娘もいるので自宅療養にしたという。井上さんは番組で「きっと軽症なんだろうと。息もできてるし。だけど、だいぶ強いインフルエンザだなという感覚ですね」と振り返った。

症状が出る前、井上さんは保育園の送迎、スーパーなどで買い物、休日に映画館、娘と2人で外食などをしていたことを紹介。マスク・うがい・手洗いをし、消毒液や除菌シートを持ち歩いて対策をしていた。

井上さんは「何度も考えたけど(どこから感染したか)分からないんですよね。娘と外食に行ってもテーブルも除菌シートでふきますし、消毒液も使って……。本当に徹底してやったつもりだったので、それでもなってしまったのには、私的にはショックだった」と話した。

■「私が入ってベッドを埋めるわけにもいかない」と迷ったことを明かす

発症から5日後に、倦怠感と止まらない咳、痰、息苦しさの症状が急に現れた。一方で熱は最大でも37.3度までで、解熱剤が効いてほぼ平熱だったという。井上さんによると、保健所から「入院を希望されますか?」と電話があって、迷ったときもあったという。番組では次のように話した。

「息が苦しくなったときに深呼吸をすればどうにかなってたのが、その回数が半日で倍になって。次の日には、常に苦しい状態。スピードがすごく早かったんですね。『もしかしたら今日の夜中、私は息ができなくなるんじゃないか?』という恐怖があったんですけど。ただ、『今は耐えられている』っていう状況の中、保健所さんに『入院を希望されますか?』と聞かれると『これぐらい症状なんですけど、どうしたらいいですか?』と聞くと『じゃあ一度様子をみましょうか』という話になってしまうんですよね」

このときの迷いについて、以下のように続けた。

「保健所さんも強制的に指示はできない。私の方も『入院させてくれ』とも言えない。そのはがゆさがすごくて。もっと苦しい人の話をニュースでも見てるので、私が入ってベッドを埋めるわけにもいかないなっていう。本当にはがゆいとしかいいようがない。でも本当に苦しいという感じでしたね」

■自宅療養中、夫に続いて娘も感染

PCR検査の結果、井上さんの夫も陽性だった。最初は無症状だったが数日後には風邪のような症状が出た。井上さんの娘は当初は陰性だったが、やがて体温が高めになってきて、再度PCR検査を受けたところ陽性になった。幸い無症状だったという。井上さんは1月12日に自宅療養を終えてから、念のためにかかりつけ医でレントゲンとPCR検査をした上で仕事復帰したという。

井上さんは、5歳の娘が感染したことについて「もう少し大きいお子さんだったら、理解して離れてくれるが、ご飯をそばで食べさせたりとか、遊んで欲しい、抱っこしてほしいとなるど、どうしても密着してしまうので。陽性になってしまうだろうと思ったら案の定という感じでしたね」と振り返った。

これを受けて、番組に出演した昭和大学医学部の二木芳人客員教授は以下のように指摘した。

「(新型コロナは)発症する2日くらい前から感染するリスクがあるので、むしろ発症前後が感染率が高い。だから(自宅療養した時点では)すでに感染されていた可能性がありますね。こういう風な事例では、もし(家族内で)検査して陰性の人がいたとしても、どこかで家族ごと療養していただくような施設を考えるとした方がいいと思います」

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