PRESENTED BY 株式会社INPEX

ジェンダー、年齢、国籍にとらわれない。エナジートランスフォーメーションに挑むINPEXの、グローバルスタンダードなD&Iとは

「妻の駐在に夫が帯同」「エントリーシートに性別・国籍欄ナシ」日本最大の石油・天然ガス開発企業は「いわゆる日本企業」じゃなかった。
Photo:Yuji Nomura

エネルギー業界というと、「固い」「男社会」というイメージを持つ人も少なくありません。しかし日本最大の石油・天然ガス開発企業であるINPEXは、国内のみならず海外でも事業を展開するグローバル企業であり、また生活に欠かせないエネルギーを安定供給するという社会貢献性の高い事業を展開していることから、多くの就活生を惹きつけています。

実際に社員に話を聞いてみると、D&Iが推進されており、エネルギー業界に対する世間のイメージを覆す社風であることがわかりました。

3人の社員が語る、多様性を創造に変える職場のあり方とは。 

前身は「いわゆる日本企業」だった

INPEXはもともと、帝国石油、国際石油開発(旧インドネシア石油)という歴史ある日本企業を前身に持つ会社です。現在人事を担当している川嶋達也さんは、1998年の入社。長い社歴の中で、D&Iが推進されてきた経緯を教えてくれました。

川嶋達也(かわしま・たつや)さん:総務本部 人事ユニット 人事戦略・企画グループ
川嶋達也(かわしま・たつや)さん:総務本部 人事ユニット 人事戦略・企画グループ
Photo:Yuji Nomura

川嶋達也さん(以下、川嶋):今でこそD&Iを推進する社風は「当たり前のこと」として浸透していますが、もとは「いわゆる日本企業」でした。

2008年に2つの会社が経営統合して以降、事業の拡大と同時に、新卒採用者数も大幅に増加しました。また、中途や外国人採用も積極的に進めた結果、新しい世代・様々な考え方をお持ちの方がどんどん入社するようになりました。

そして2012年ごろから、日本・オーストラリア・インドネシアの3拠点の人事担当者が集まり、今後グループ全体としてどんな人事戦略・ビジョンを掲げるのかという議論が始まります。

その結果、「INPEXを最高に働きがいのある会社に。“Employer of Choice”」など4つの柱からなるHR Visionを制定しました。
(※HR = Human Resources(人事)…海外では人事が、人をリソースとして考える部門として位置づけられている)

私はその頃オーストラリアのパースに駐在していたのですが、日本よりも先進的な人事の取り組みを見て大きな学びとなり、その他の各拠点のベストプラクティスも参考に、日本の制度や運用の見直しに一層積極的に取り組むこととなりました。

D&Iの浸透したオーストラリアの人事制度から大きな影響

川嶋さんと同じくオーストラリアのパースに駐在していた経験を持つのが、佐々木世佳さん。2007年入社で、現在は天然ガスや新燃料の中・下流事業開発、プロジェクト企画に携わっています。
日本よりもD&Iが浸透しているというオーストラリアの職場環境はどのような空気だったのでしょうか?
佐々木世佳(ささき・せいか)さん:グローバルエネルギー営業本部 事業開発ユニット 事業開発グループ
佐々木世佳(ささき・せいか)さん:グローバルエネルギー営業本部 事業開発ユニット 事業開発グループ
Photo:Yuji Nomura
佐々木世佳さん(以下、佐々木):私は2013年から2018年までオーストラリアにいました。同じ部署には80歳近い方や、ジェネラルマネージャーに採用されてその数ヶ月後に産休取得を報告された方もいました。
採用するときに、妊娠をしているかなんて絶対に聞かないし、言う必要もないという空気なんですね。年齢も、性別も、聞くのはNGというのがもうグローバルスタンダードになっていると思います。
川嶋:このようなオーストラリアの取り組みを参考に、日本でも個人の属性に囚われないフラットな視点での採用活動をおこなっています。現在エントリーシートでは性別や国籍の記入欄はありません。
また、社員のちょっとした貢献や頑張りを認めて表彰するオーストラリアの制度を参考に、同様の仕組みを取り入れ、社員の活躍を「レコグニション(認知)」することでエンゲージメント向上を進めています。 

外国籍社員が入社して感じた良い意味での驚き

こうした変革はまさに、海外に拠点を持つグローバル企業ならでは。日本でも外国籍の社員が働いており、その視点は企業の成長に欠かせないものになっています。
ジョナサン エベニックさんは、イギリスに拠点を置くエネルギー関連の多国籍企業で長く働いた経験を持ち、2020年にINPEXに入社。現在は石油、天然ガスを採掘するための地質調査の部門で働いています。
ジョナサン エベニックさん:上流事業開発本部 新規上流推進ユニット
ジョナサン エベニックさん:上流事業開発本部 新規上流推進ユニット
Photo:Yuji Nomura
ジョナサン エベニックさん(以下、エベニック):以前の会社で働いていた時からINPEXについては知っていました。入社した後、良い意味で驚きがあったのは、いわゆる昔ながらの日本企業という印象がなかったこと。必ずスーツにネクタイをしめて出社、なんてことはないですし、社内ファイルも英語で管理されているものが多く、業務もスムーズに進んでいます。
INPEXはこれまで他社が操業するプロジェクトにパートナーとして参加することが多い傾向でしたが、現在は自社でより積極的にプロジェクトを企画、運営、操業するというビジネスモデルにシフトしているところ。
当社の掲げるビジョンや外部環境に合わせて、社風もどんどん変わってきているように思います。
例えば、オフィス空間一つとっても、以前はデスクがずらりと並んで一番向こう側に上司の席がある、という配置でしたが、コロナ禍を境にフリーアドレスになったんです。役職を問わず気軽に話せる雰囲気で、さらに欧米風になってきていると感じます。

社内にD&Iが浸透しているからこそできること

ジェンダーや年代、国籍などを超えたとき、新しいコラボレーションが生まれます。INPEX社内で推進されるD&Iは、プロジェクトにも、社員のキャリアにも好影響を与えているそうです。
Photo:Yuji Nomura
エベニック:私が働いている上流事業本部では、当社技術者による調査に基づいて、新規の油田やガス田を見つけるための井戸をどこに掘るか決定しなければなりません。失敗すると会社に大きな経済的損失を出してしまうというリスクもあるため、チームで協力し合い、地質調査の不確実性や潜在リスクをチーム内で共有することが大切です。
重大な決断を迫られる時こそ、過去の多様な経験や知見を参考にするため、社内にダイバーシティがあることがとても大事です。多様な国籍や様々な背景を持つ社員が意見を出し合うことで、リーダーは最適なオプションを選択して探鉱を進めることができます。
佐々木:社内でD&Iが浸透していることで、恐れずに自分のキャリアに挑戦できる、という側面もあると思います。
私はオーストラリアの駐在から帰ってきてから子どもを2人出産して、今年の5月から復帰して働いています。残業や出張など、あまり無理が効かない中で、上司や同僚は私ができるだけこれまでと変わらないキャリアを積めるようにサポートしてくれます。

今後は妻の海外駐在に、夫が帯同することも

日本では、理系分野の女子の少なさや、職種への根強いジェンダーバイアスがあり、エネルギー業界に関心を持つ女性はまだまだ少ない、という現状もあります。そんな中、INPEXは女性のキャリアが中断されない職場づくりに力を入れてきました。
Photo:Yuji Nomura
佐々木:私がオーストラリアの駐在を決めた時、女性が駐在する前例は少ない状況でしたが、その後は海外に駐在する女性が増えています。子どもがいる場合、夫が妻と同じだけ子育てをして、妻が駐在になった時には海外に夫が帯同する、という価値観の家庭も少なくありません。
下の世代ほど新しい価値観に変わりつつあることに励まされますし、女性の社員として私が頑張り続けることが、下の世代の安心感につながっているのであれば嬉しいです。
Photo:Yuji Nomura
川嶋:当たり前のことですが、性別に関係なく社員が活躍できる風土づくりが重要です。
子育て世代の部下を持つ上司向けの研修や、心理的安全性セミナー、アンコンシャスバイアスセミナーといった社内研修なども実施しています。
また、会社規定として「配偶者」は性別を問わず、事実上婚姻関係のある方を含めたものと定義しています。
さらに、社員の自発的な取り組みでLGBTQアライ組織が立ち上がるなど、お互いを尊重し合える風土が根付いてきているのを感じます。
D&Iを推進し、社員がいきいきと働くというのは健康経営の観点からも大切なこと。こうした姿勢をステークホルダーの皆様に発信していけるように、企業努力を続けているところです。
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世界的なエネルギー危機の中、多様なエネルギーをよりクリーンな形で、安定的かつ効率的に供給することを目指すINPEX。社内でのD&I推進、働きやすい環境づくりもまた、SDGsの観点から大切な社会貢献の一つです。さまざまな立場の人が安心し、最高に働きがいのある組織を目指しD&Iを推進しています。
(撮影:野村雄治、 文:清藤千秋、 通訳:尹世羅、 編集:鈴木雄也/ハフポスト日本版)

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