ベルリン国際映画祭、女優賞と男優賞が廃止に。「性別への配慮を促すきっかけになる」

最優秀男優賞と最優秀女優賞がなくなり、代わりに新設されるのは……

世界3大映画祭の一つ「ベルリン国際映画祭」が、2021年からよりジェンダー・ニュートラル(性別で区別しない)な祭典になる。

同映画祭の事務局は8月24日、2021年から賞を性別でわけないと発表した。

2020年に開催された第70回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した「There Is No Evil」のキャスト(2020年2月29日撮影)
2020年に開催された第70回ベルリン国際映画祭で金熊賞を受賞した「There Is No Evil」のキャスト(2020年2月29日撮影)
Michele Tantussi / reuters

ベルリン国際映画祭では、最優秀作品賞に当たる金熊賞のほか、銀熊賞の中に最優秀男優賞と最優秀女優賞を設けてきた。

2021年からはこの最優秀男優賞と最優秀女優賞を廃止し、代わりに最優秀主演賞と最優秀助演賞が新設される。

ディレクターのマリエッタ・リッセンベーク氏とカルロ・シャトリアン氏は、賞の再編成について「演技の分野で賞を性別でわけないことが、より性別への配慮を映画産業に促すきっかけになると信じています」と説明する。

ベルリン国際映画祭のロゴをスプレーでペイント(2007年2月6日撮影)
ベルリン国際映画祭のロゴをスプレーでペイント(2007年2月6日撮影)
Fabrizio Bensch / reuters

また、新しい視点をもたらした映画に送られる「アルフレッド・バウアー賞」も、2021年から廃止になる。

同賞は、ベルリン国際映画祭初代ディレクターのアルフレッド・バウアー氏にちなんで作られたものだが、バウアー氏がナチスの映画製作部門に関与していたとドイツの新聞が報じたことで、2020年に一時中止が発表されていた

ベルリン国際映画祭は毎年2月に開催されており、2021年は2月11〜21日を予定している。新型コロナウイルスの状況を考慮しながら、開催予定だという。

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