日本とのエピソードを中国で募集→“愛国者”から批判相次ぐも...「悪意ある発言には耳を貸さないで」

在中国日本国大使館のキャンペーンに寄せられた批判の声に...「こんな攻撃の仕方は控えるべきだ」

中国の日本大使館が、現地SNS「ウェイボー」で日本の思い出などを募るキャンペーンを始めたところ、過去の歴史や災害などを揶揄するようなコメントが相次いだ。

これに対して、現地のネットユーザーからは「悪意のある人間に耳を貸すべきではない」などと抗議する声が上がっている。

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■大使館のキャンペーンに...

このキャンペーンは、在中国日本国大使館がウェイボーを運営する「新浪(シナ)」と始めた。11月29日に、大使館の公式アカウントが「日本と言えば、最初に何が思いつきますか?あなたと日本のエピソードを教えてください」などと告知した。

この投稿には、1日と経たないうちに2000件を超えるコメントがつけられた。

しかし、日本に反感を持つと見られるユーザーからの書き込みも多く「中国ですら全部を回っていないのに、なんで他の国に行こうと思うのか」「小日本(日本を罵る言葉)」などのコメントに1000を超える「いいね」がつけられた。

そのほか、第2次世界大戦や福島第一原発事故を揶揄したと見られるコメントも並んだ。

■「愛国的な態度出さないで」

こうした現状に対し、現地のネットユーザーからは抗議の声も上がり始めた。

「まず中国を全都市制覇しないと他の国に行けないのでしょうか」「旅行に行く、行かないに政治を持ち出していたら、世界が行けない場所だらけになる」などの反論が寄せられた。

また、東京大学大学院の特任准教授がTwitterで「中国人は採用しません」などと発言し、批判が寄せられたことに触れ「日本ではこの准教授が“ふさわしくない”とされTwitterのトレンド入りしたのを見て、教育制度に思いを馳せました。それに対して中国では...」と嘆くユーザーもいた。

別のユーザーは「これでは、中国人をバカにしている一部の日本のネットユーザーと同じではないか。日本嫌いなのは自由だし、私も日本人は嫌いだが、こんな攻撃の仕方は控えるべきだ」と苦言を呈した。

そのほかにも「“愛国”的な態度を出し、自身の民度を下げない方が良い。あなたも中国人を代表する一人なんだよ、とコメント欄の一部の方に伝えたい」という書き込みにも“いいね”が寄せられている。

日本語を使って反応する人もおり「一部の人の悪意ある発言には耳を貸さないでください。平和を望む人が多いです」などとしている。

言論NPOが9月に実施した「日中共同世論調査」によると、日本側が中国に対して「よくない印象を持っている」と答えたのが84.7%だったのに対し、日本の印象を「良い」などと答えた中国人は45.9%と過去最高を更新している。

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