滑空を学習する

適切な装備を施したグライダーが、野外において自律的に上昇温暖気流を捉えて航行できるようになる強化学習法を報告している。

上昇温暖気流を捉えて自律的に滑空するグライダー。

Credit: Gautam Reddy and Jerome Wong-Ng

自然界の生み出す複雑な対流の景観の中で上昇温暖気流を探しそれに乗って滑空する鳥の戦略はまだ十分に分かっているわけではないため、これを人工の機体にうまく「教える」ことは困難である。この関連で、特定の環境手掛かりから情報を得た一連の決定の形で効果的な航行戦略を突き止めるのに、強化学習に基づく方法が役立つ可能性がある。今回M Vergassolaたちは、適切な装備を施したグライダーが、野外において自律的に上昇温暖気流を捉えて航行できるようになる強化学習法を報告している。著者たちは、この目的で、グライダーにかかる局所的な鉛直方向の風の加速度とロール方向のトルクを機上で見積もる方法を開発し、これらの加速度とトルクが航行の効果的な手掛かりとしての役割を果たすことを示している。このタイプの航行戦略は、今後の自律滑空機の研究に役立つ可能性がある。

Nature562, 7726

原著論文:

doi: 10.1038/s41586-018-0533-0

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Nature555, 7697

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