爆笑問題・太田光も注目、九州KBCの還暦アナが放つ超高速の毒舌とは

太田からの愛情に反応がうすい理由、ラジオへの思いなどを聞いた。
Michael Caronna / Reuters

爆問・太田光も大注目! 九州KBCの還暦アナ・沢田幸二がラジオで放つ超高速の毒舌

爆笑問題・太田光がレギュラーのラジオ番組『火曜JUNK 爆笑問題カーボーイ』(TBSラジオ・毎週火曜 深1:00)を中心に"ラジオ愛"をさく裂させている。PCやスマホなどでラジオを聞けるサービス「radiko.jp」で、全国のラジオ局の番組をエリアフリーで聞くことができる「エリアフリー機能」(2014年4月開始)と1週間以内なら無料で聞き返せる「タイムフリー機能」(16年10月開始)を駆使して、地方の魅力的な番組を次々と発掘し、番組内で紹介。標的となった番組側も反応し、地域を越えた交流が繰り広げられてきたが、今ひとつリアクションが鈍いパーソナリティーがいた。KBC九州朝日放送のエグゼクティブアナウンサー・沢田幸二(60)だ。

太田が注目したのは、沢田アナがおすぎ、松村邦洋といった魅力的な各曜日のパートナーとともに放送する昼のワイド帯番組『PAO~N』(月~金 後1:00)。番組冒頭の51秒間に"前ピン"で、コーナー紹介も兼ねながら自身がピックアップした芸能ニュースを超早口で一気読み。忖度一切なしの強烈な"猛毒"に、太田も衝撃を受けたが「ちょっと言えないから、どんな感じなのかは番組を聞いてみて」と詳細を話すのをためらうほど。還暦を迎えて同局としては異例の"役員待遇"のアナウンサーながら、今なおリスナーの胸をざわつかせる放送を続ける沢田アナに、前ピンを始めたきっかけ、太田からの愛情に反応がうすい理由、ラジオへの思いなどを聞いた。

1983年5月末、入社4年目の沢田アナは同局夜のワイド帯番組『PAO~N ぼくらラジオ異星人』(月~金 後9:30~深0:30)の水曜日のパーソナリティーに抜てき。その頃に前ピンが誕生した。「はじめた動機は全く覚えていないのですが、各曜日のパーソナリティーの中でなぜか僕だけがやっていました。当時は芸能ネタだけでなくて、社会ネタをブラックに斬るというようなことをやっていましたね」。86年からは全曜日を担当していたが、90年4月に惜しまれつつも番組が終了。そこから13年の時を経て、2003年3月末に現在の昼ワイド版『PAO~N』がスタートした。

ネタの選定から言い回しまで、すべて沢田アナが自分で行っているが「人の不幸は蜜の味なので、あえてネガティブなニュースをピックアップしています。幸せなニュースとか一切扱わないのはポリシーです」とニヤリ。ある"ルール"を課しているがゆえの苦労もある。「始めた頃から同じ原稿用紙で、手書きで2枚くらいになるボリュームを51秒で話す感じです。ニュースがいっぱいの時は早口になって、よく噛むんですが、ない時はスカスカ(笑)。必ずネタを5つ入れるようにしていて、ひとつ目のリードで2ネタ、コーナー紹介で2ネタ、最後に1ネタっていう感じにしているんですけど、正直なところ毎日やっていたら5つもないんですよ(笑)。ネタがない時は、どうやって話を広げるか頭を悩ませています」。

「過激な方が面白いと思っているので...」という前ピンが太田の耳に留まったことで、新たな"つながり"も生まれた。一足先に太田のターゲットとなった広島・中国放送(RCC)の『平成ラヂオバラエティごぜん様さま』(月~金 前9:00)の人気パーソナリティー・横山雄二アナとは、先月になって急接近。お互いの番組を行き来する交流に加えて、沢田アナと横山アナがそれぞれ『PAO~N』のBGMに乗せて"前ピン"とエンディングの"後ピン"を披露し合う局の垣根を越えたコラボが実現した。ラジオならではの一連の展開は、沢田アナにとっても大きな刺激となったという。

「あそこまでやってもらえるとは思わなかったですから、やっぱり感動しましたよ。ラジオの前でしゃべることの原点というとカッコつけすぎになりますが、横山さんがすごく楽しくしゃべるんですよ(笑)。普段はおとなしいけどマイクを前にするとダンとスイッチが入るというところは一緒なんですけど、体調とか気分とかが声のトーンに出る自分と違って、横山さんはずっと一緒のテンションで話しているので『やっぱり、これだよな』と気をつけるようになりました」。

太田からの過剰な愛情について話を振ると、ものまねを交えながら体を前のめりにして話し出した。「そういう交流があるとは知らなかったので『そうなんだ』と思って、完全に後乗りになっちゃいました。太田さんが全国のラジオを聞いていらっしゃって、こういう輪を広げてくださっていることはうれしいですよね。太田さんは『沢田幸二がさぁー全然話をしてくれないんだよ』と言っていますけど、僕もちゃんと『カーボーイ』の話をしているはずなんですが(笑)。ネット局の関係もありますけど、何かしらの交流ができたらいいなと楽しみにしています。『日曜サンデー』でも昼の1時から4時間生放送をやっているんですよね...太田さんは本当にラジオが好きだな」。

昼ワイドの『PAO~N』も今年で丸15年。未だに現役バリバリの沢田アナに今後の目標を聞いてみた。「太田さんにしゃべっていたただき、横山さんが番組に来ていただいてから、急にビッグバンみたいに北海道、青森、千葉、京都...という、これまで来なかった県からもお便りをもらうようになって、本当にありがたいです。そういう意味で言えば、めちゃくちゃいい16年目のスタートを切ることができましたし、ラジオは年齢関係なくやれるので、70歳くらいまで続けたいと思っているんですけど、役員待遇で1年毎の契約なので、こればっかりはどうなるかわからないですね(笑)。とりあえず、再来年の東京オリンピックまでは続けていたいなという気持ちです」。KBCのホームページ上にある沢田アナの自己PRの欄には、こうつづられている「この身をラジオに捧げます」。内に秘めた熱い思いをぶつけるため、沢田幸二はきょうもマイクの前に向かう。

【関連記事】

注目記事