水原希子さん、マイノリティの一人としてLGBTQへの共感を語る。 「レインボープライドは、いろんな人が勇気をもらえる運動」

「私みたいに、ミックスの方だったり、いろんな理由で自分をマイノリティだと思っている方がいると思う。悩みがそれぞれ違ったとしても、自分は一人じゃない、悩んでいるのは自分だけじゃないと気づける」
水原希子さん
水原希子さん
VCG via Getty Images

モデルで俳優の水原希子さんが4月26日、オンラインで開かれた「東京レインボープライド2020」のトークライブに登壇した。水原さんがLGBTQの祭典である東京レインボープライドに出演するのは初めてで、「オンラインの形になりましたけど参加できてとても嬉しいです」と喜びをあらわにした。

アメリカ人の父と韓国人の母を持ち、日本で育った水原希子さん。Twitterでは人種差別などに反対するメッセージを発信し、人権の問題に声を上げ続けている。

トークイベントでは、日本で暮らすマイノリティの一人として、LGBTQコミュニティーに勇気付けられていたとも語った。

「自分では何も考えずに、ありのままに生きてきて、(マイノリティであるということを)気づいてもいないという感じでした。けれど、近年そういうことがディスカッションされていくうちに、自分が子どもの時に英語を喋れるのに喋りたくなかったのは、『ちょっと人と違う』と思われたくなかったからそういう行動を取ってたんだ、って(気づいて)」

子供の頃の経験を、そう振り返った水原さん。「LGBTの運動は、いろいろな人が勇気をもらえる運動」だ、と思いを語った。

「レインボープライドが素晴らしいなと思うのは、LGBTQコミュニティーだけじゃなくて、いろんな方が勇気をもらえる運動だと思っています。 私みたいに、ミックスの方だったり、いろんな理由で自分をマイノリティだと思っている方がいらっしゃると思うんですけど、悩みがそれぞれ違ったとしても、自分は一人じゃない、悩んでいるのは自分だけじゃないと気づける。みんなが苦難を通っているんだなっていうことを知ることができる」

「つらいのは私だけじゃないって感じられるだけで、大きな支えになったりすると思います。だから本当に、みんなのためのレインボープライドでもあると思うんです。たくさんの方が、それぞれ理由が違っても、勇気付けられると思います」

2019年は、Netflixの人気番組『クィア・アイ in Japan!』に出演した水原さん。

「ファブ5」と呼ばれるゲイ5人組が、見た目や内面に悩みを抱える人を「変身」させる番組で、ファブ5のポジティブなメッセージが多くの共感を集めている。配信されたのは日本を舞台にした特別編で、水原さんがファブ5のナビゲーターを務め、大きな反響を呼んだ。

「カルチャーの違いも乗り越えて、人と人との結びつきというか、人類愛を感じた」と話した水原さん。カラフルなレインボーのTシャツに身を包み、自宅からメッセージを届けた。

2020年、世界的に流行した新型コロナウイルスは、LGBTQコミュニティにも大きな影響を与えています。「東京レインボープライド」を始めとした各地のパレードはキャンセルや延期になり、仲間たちと会いに行っていた店も今や集まることができなくなりました。しかし、当事者やアライの発信は止まりません。場所はオンラインに移り、ライブ配信や新しい出会いが起きています。

「私たちはここにいる」――その声が消えることはありません。たとえ「いつもの場所」が無くなっても、SNSやビデオチャットでつながりあい、画面の向こうにいる相手に思いを馳せるはずです。私たちは、オンライン空間が虹色に染まるのを目にするでしょう。

「私たちはここにいる 2020」特集ページはこちら。

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